安全性が確認されている小児用の 肺炎球菌ワクチン ですが、子どもの体調や体質によっては 副反応 があらわれることがあります。多くみられるのは発熱と注射したところの赤みや腫れで、自然におさまっていくことが多いとされています。
小児用肺炎球菌ワクチンの副反応について理解を深める
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンとは肺炎球菌が原因となって発症する骨髄炎や髄膜炎などの重い病気を予防するためのワクチンです。肺炎球菌には90種類以上の型が存在するとされていますが、その中からより重篤な病気を引き起こすとされる型が選ばれ、対応するワクチンが作られました。
肺炎球菌が原因となる髄膜炎は半数が1歳未満で発症します。そのため、肺炎球菌ワクチンの接種は生後2カ月を過ぎたらできるだけ早く行うように推奨されています。肺炎球菌ワクチンは世界中で接種がすすめられており、発売から10年以上が経過しているワクチンです。
小児用肺炎球菌ワクチンは接種開始年齢によって、接種を行う回数が異なります。生後2か月で開始するパターンでは合計4回の接種が必要となります。
開始年齢が遅くなればなるほど、接種回数は減ります。命に関わる重大な病気を防ぐために必要な予防接種ですので、接種回数を減らすために接種開始を遅らせるのはやめるようにしましょう。
肺炎球菌ワクチンの副反応とは
小児用肺炎球菌ワクチン接種後に見られる副反応は主に発熱や注射部位の異常(腫れや赤みなど)となっています。ほかのワクチンと同程度の頻度で副反応が起こるとされており、接種に問題はありません。
まれにアナフィラキシーショックなどの重篤な副反応があらわれるとされています。こういった重篤な副反応は接種後30分以内にあらわれることが多いので、接種後は注射部位や全身状態に注意して病院にとどまるか、病院のすぐ近くにいるようにしましょう。
発熱
小児用肺炎球菌ワクチンの接種では副反応として、1割~2割ほどの子供に発熱がみられることがあります。多くは37度5分前後の発熱ですが、中には39度の高熱になることもあります。
発熱の多くはワクチン接種当日か翌日にあらわれます。副反応としてあらわれた発熱については、その後1日~2日ほどで自然に下がっていきます。
発熱の際の様子が普段と著しく違う場合や高熱である場合はワクチン接種を行った病院に相談するようにしましょう。また3日以上発熱が続く場合は副反応以外の原因も考えられます。その際には病院で受診するようにしましょう。
ワクチン接種の副反応で発熱があらわれた子供が、次のワクチン接種の際に必ず発熱するというわけではありません。
注射部位の異常
肺炎球菌ワクチンを接種すると注射したところが赤くなったり、腫れたりすることがあります。また硬くしこりのようになることもあります。ワクチン接種の副反応としてあらわれた赤みと腫れについては通常、3日~4日で消失していきます。
中には赤みや腫れ、しこりなどが1カ月程度残ってしまう子供もいます。1カ月以上経過しても赤みなどがみられる場合はワクチン接種をした病院を受診するようにしましょう。
重篤な副反応について
海外では小児用肺炎球菌ワクチンによる重篤な副反応としてアナフィラキシーショック、痙攣、無呼吸などの報告が確認されています。
アナフィラキシーショックのあらわれ方としては全身が赤くなったり、顔面や喉頭に浮腫がみられたり、呼吸困難になったり、血圧が低下してめまいを起こしたりします。
アナフィラキシーショックは接種後すぐに(30分以内に)みられることが多いので、おかしいと思ったらすぐに医師に報告するようにしましょう。
まとめ
小児用肺炎球菌ワクチンの副反応について理解を深める
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンの副反応とは
発熱
注射部位の異常
重篤な副反応について