以前は任意予防接種だった肺炎球菌ワクチンが2013年4月1日から定期接種予防接種となりました。それほど重要なワクチンです。子どもを重篤な後遺症から守るためにも、 肺炎球菌ワクチン について詳しく知って予防接種に臨みましょう。
知っておきたい!子どもを守る肺炎球菌ワクチンとは
どんな種類のワクチン?
肺炎球菌の病原体にある毒性をなくして、免疫を作るのに必要な成分を取り出したワクチンです。不活化ワクチンという種類になります。
肺炎球菌の型は90種類以上ありますが、その中でも子どもがかかると重症になる型を選んで作られています。ワクチンの十分な効果を得るために数回接種し、追加接種を行う必要があります。
どんな病気から守ってくれるの?
肺炎球菌とは珍しい細菌ではなく、健康な人の鼻やのどにも50%くらいの確率で存在しています。しかし、何らかの原因で体の免疫が落ちると、菌が体の中に入り込み肺炎球菌感染症を引き起こします。
肺炎球菌感染症は、肺炎球菌という細菌に感染することで起こります。くしゃみや鼻水といった飛沫感染による経路で感染します。
肺炎球菌感染症としてあげられるのが、髄膜炎、菌血症、敗血症、肺炎、細菌性中耳炎等です。特に2歳未満の乳児はリスクが高く、菌血症や髄膜炎が問題となります。
菌血症は肺炎球菌が何らかの原因で血液に入って引き起こされます。発熱が主な症状になります。そして進行すると髄膜炎を引き起こします。
肺炎球菌による髄膜炎は脳を包んでいる髄膜という膜に肺炎球菌が入って炎症を引き起こす病気です。主な症状として発熱、ひどい頭痛、嘔吐があります。また、首が曲がりにくくなったり、手足が硬くなる、けいれん、意識障害があります。
大半は治癒するといわれていますが、まれに死亡することもあります。また、髄膜炎が治っても、難聴や精神発達遅延、四肢麻痺、てんかんといった重篤な後遺症が残ります。
肺炎球菌による髄膜炎の大半は0歳代でかかります。その後徐々に減っていきますが、5歳くらいまでは危険とされています。肺炎球菌ワクチンを受けることで、菌血症や髄膜炎といった肺炎球菌感染症にかかることを防いだり、重い後遺症が出ることを防いでくれます。
どんな方法で打つの?打った後は?
皮膚の下の脂肪層に針を刺してワクチンを注入する皮下注射で行います。肩から肘にかけて線を結んでできた直線上の肘から3分の1のあたりを目安に注射をします。
また、注射後はゆっくりとワクチンの効果を効かせる為に揉みません。注射後の登園も可能です。気になる場合は保育園や幼稚園の先生に声をかけておきましょう。そして、注射部位を強くこすらないようにすれば入浴もかまいません。
副反応は?
ワクチンを接種することによって体に生じる不都合な反応のことを副反応と呼びます。肺炎球菌ワクチンを接種することによって、注射したところが赤くなったり、腫れたり、硬くなることがあります。まれに発熱も見られます。しかし、自然に回復していきます。
かかる費用はどれくらい?
市町村の対象地区在住し、対象年齢を満たしている場合に限り、定期接種のため公費負担となります。
受けるとどんな効果があるの?
肺炎球菌ワクチンを接種することで重篤な肺炎球菌感染症を95%以上減らすことが出来ると報告されています。
2013年11月から小児用肺炎球菌ワクチンは従来の7価ワクチンから新しい13価ワクチンに切り替わりました。従来よりも新たに6つの肺炎球菌の型に対応できるようになり予防範囲が広くなったため、子ども達を重篤な肺炎球菌感染症からより防げるようになりました。
まとめ
知っておきたい!子どもを守る肺炎球菌ワクチンとは
どんな種類のワクチン?
どんな病気から守ってくれるの?
どんな方法で打つの?打った後は?
副反応は?
かかる費用はどれくらい?
受けるとどんな効果があるの?