2歳以下の子供では重症化することの多い肺炎球菌による感染症を防ぐために、生後2カ月を過ぎたらできるだけ早く 肺炎球菌ワクチン の接種を開始するようにしましょう。適切な時期に予防接種を行うことで、重症化を防ぐことができるということを知っておくことが大切です。
6か月までに肺炎球菌ワクチンの接種を完了させる
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌が原因となる病気を予防するためのワクチンで、子供用のものは2013年11月からそれまで使われていた7価ワクチンから13価ワクチンへと切り替えが行われています。
肺炎球菌は90種類以上の型があると言われ、肺炎球菌ワクチンは子供が感染すると重症になる可能性の高い種類の型を選んで作られています。2歳以下の小さな子供は肺炎球菌に対する免疫力が極めて低いので、肺炎球菌に感染してしまうと重症化する可能性が高くなります。
肺炎球菌が原因となる病気の代表的なものとしては、細菌性髄膜炎や菌血症、敗血症、重篤な肺炎、細菌性の中耳炎などが挙げられます。
これらの病気は、高齢者や小さな子供は特にかかりやすいですが、幼稚園や保育園などに通う集団保育をしている子供は2~3倍感染しやすいと言われています。
接種時期
肺炎球菌ワクチンは、生後2か月を過ぎると接種することができます。一般的な接種スケジュールでは4週間隔で3回、1歳を過ぎて4回目を接種します。初回接種時の月齢によって、接種の回数や間隔が異なりますので注意が必要です。
肺炎球菌が原因の髄膜炎は半数が1歳未満でかかり、徐々に罹患率は低下していきますが、5歳くらいまでは感染の危険が高い年齢です。生後2カ月を過ぎたら、なるべく早めに接種できるようにかかりつけの小児科で相談するようにすると良いでしょう。
現在は、6歳を過ぎると子供用の肺炎球菌ワクチンの接種ができなくなりますので注意が必要です。
接種時の副反応
子供用の肺炎球菌ワクチンは100か国以上で承認されており、50か国で定期接種として認められているワクチンです。安全であること、病気の予防効果があることについてはすでに世界でも実証されています。ヒブワクチンも同時に接種することで、細菌性髄膜炎の予防に非常に効果があるとされています。
肺炎球菌ワクチンを接種した後に、1割程度の子供に38度以上の発熱がみられます。家で安静にしていれば1日ほどで解熱します。接種したところが赤みを帯びたり、しこりになったりすることもあります。
多くの症状は自然におさまっていきますが、子供の機嫌が悪かったり、ぐったりしていたり、いつもと違う様子が長く続く場合は念のためにワクチン接種を行った病院で受診すると安心です。
ワクチン接種時の注意
肺炎球菌が原因の病気は、生後6か月を過ぎると感染する赤ちゃんが増えてきます。肺炎球菌ワクチンは生後2か月のお誕生日を迎えたらすぐに接種すると覚えておくと良いでしょう。ロタウイルス、ヒブ、B型肝炎ワクチンなどの接種と同時に行うこともできます。
2013年11月までに子供用の肺炎球菌ワクチンの接種が終わっている方は補助的な追加接種を受けることができるようになっています。従来型の7価の肺炎球菌ワクチン接種が終わっている時は、さらに13価ワクチンを1度接種することで新しい6種類の肺炎球菌にも対応できるようになります。
肺炎球菌ワクチンを接種した小児科で相談してみると、追加接種のスケジュールなどを調整してもらえます。
肺炎球菌ワクチンを打つスケジュール
赤ちゃんのうちは定期予防接種の数が多いので、綿密にスケジュールを立てておかないと後ろへどんどんずれ込んでしまいます。接種できる年齢に期限があるものも多いので、かかりつけの小児科医と相談しながら、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
理想的なスケジュールとしては、まず、生後2か月を過ぎたらすぐにロタウイルス、ヒブ、B型肝炎ワクチンと肺炎球菌ワクチンを同時接種します。3カ月以降はこれらのワクチンに加えて四種混合の同時接種を行います。
生後6か月までにはじめの3回の接種が終わっていると抗体ができ、感染しやすい時期を乗り切れるようになるので、早め早めの対応が重要となります。
まとめ
6か月までに肺炎球菌ワクチンの接種を完了させる
肺炎球菌ワクチンとは
接種時期
接種時の副反応
ワクチン接種時の注意
肺炎球菌ワクチンを打つスケジュール