肺炎は日本人の死因の第3位にあがる病気で、毎年10万人以上の人がなくなっています。小さい子供は抵抗力が弱いので、重症化することも多いと言われています。風邪と見分けづらい 子供 の 肺炎 の 症状 について理解を深めて、早めの治療開始を心がけましょう。
子供の肺炎症状の特徴を知って、早めの治療開始を心がける
肺炎とは
肺炎は、原因によって大きく分類されています。インフルエンザ菌、肺炎球菌、連鎖球菌などが原因となる細菌性肺炎は、肺炎の中でも頻度の高いものです。
インフルエンザウイルス(インフルエンザ菌とは別のものです)、RSウイルス、アデノウイルスなどが原因となるウイルス性肺炎、マイコプラズマと呼ばれる病原微生物が原因となるマイコプラズマ肺炎などがあります。
全体の罹患数から見ると細菌性肺炎が多いですが、子供は感染力の強いマイコプラズマ肺炎、ウイルス性肺炎の罹患数も高くなっています。
肺炎になったというと、昔は入院して治療を行うのが一般的でしたが、現在は抗生物質を投与しながら通院にて治療を行うケースも増えてきました。肺炎を重症化させないためには、早めに治療を開始することが大切です。
発熱
子供が肺炎にかかると38度から39度を超えるような高い発熱があらわれることが多いと言われています。ほとんどの子供は高熱が出ますが、中には微熱程度の発熱しかみられないこともあります。小学校中学年以上の子供になると高熱とともに頭痛を訴えることもあります。
通常の風邪であれば、3日程度で解熱が始まりますが、肺炎の場合は4日以降も解熱傾向はみられません。3日を過ぎても熱が下がっていく傾向がみられなければ、風邪と言われていても、もう一度病院を受診するようにしましょう。
咳や痰
肺炎にかかると咳が長く続くことが有名ですが、原因となる病原微生物によって咳や痰の状態が異なります。細菌が原因の肺炎では、緑色や黄色がかった痰をともなった湿り気のある咳が出ると言われています。
ウイルスが原因の肺炎では、一般の風邪症状に似た鼻水や咳が出ます。マイコプラズマ肺炎では、痰を伴わない乾いた咳が長く続きます。
眠れないほどの咳が出る時には、上体を起こしてあげると肺や器官の圧迫が軽減されて痰が出やすくなります。加湿器を使って、部屋の中の湿度をあげておくと咳が軽減することもあります。
子供の咳が続いている場合、医師が聴診器で胸の音を聞くと肺炎に特有の湿性ラ音と呼ばれる胸の雑音を聞き取ることができます。また、喀痰検査を行うと原因となっている病原微生物を特定することができるようになります。
咳や痰の様子は原因を探る重要な情報となりますので、子供の様子をしっかりと観察して医師に伝えるようにしましょう。
嘔吐、下痢
呼吸器系に多くの症状があらわれる肺炎ですが、小さな子供の場合、下痢や嘔吐といった消化器系の症状があらわれることがあります。特にマイコプラズマ肺炎では25パーセント程度の子供に消化器系の症状があらわれるとも言われています。
また、肺炎の治療には抗生物質の投与が一般的となっていますが、体質的に合わない抗生物質が原因となって下痢を引き起こすこともあります。
胸の痛み
肺の中の部分には痛みを感じる神経がありません。ですから、ごく一般的な肺炎を発症していても痛みを感じることはあまりありません。
ですが、肺を包み込んでいる胸膜には痛みを感じることができる知覚神経が走っているため、胸膜部分にまで炎症が進んでしまうと痛みを感じるようになります。
胸を突き刺す鋭い痛みであると表現されます。左右のわき腹に鋭い痛みがあるときには、レントゲン撮影をして胸膜にまで炎症が及んでいないかを確認する必要があります。
まとめ
子供の肺炎症状の特徴を知って、早めの治療開始を心がける
肺炎とは
発熱
咳や痰
嘔吐、下痢
胸の痛み