肺に炎症が起きる病気全般をひとまとめに肺炎と言います。主に細菌やウイルスなどの病原微生物から肺が侵されることが原因の病気です。
空気中に浮遊している感染のもとを吸い込んで発症する細菌性肺炎です。真菌性肺炎などの感染症肺炎や薬剤性肺炎などの感染症肺炎があります。ほとんどの肺炎は感染症肺炎が原因です。
ここでは小児 肺炎 の 看護計画 をお伝えします。
小児肺炎の家庭での看護計画
肺炎の原因
肺炎となる原因はブドウ球菌や肺炎球菌そしてインフルエンザ球菌のような細菌とインフルエンザウイルスやアデノウイルス、マイコプラズマや真菌が肺に侵入してくることが原因です。
小児科で入院した肺炎の子供たちの原因は病原微生物が30%、ウイルス性や細菌性が16%、マイコプラズマが11%、細菌とウイルスの混合が10%です。
真菌性肺炎は希ですが腎臓、膠原病でのステロイドホルモン服用や白血病での免疫が低下している時などにかかります。
肺炎の小児看護問題
発熱や呼吸困難が起こり口から飲食摂取が難しくなります。合併症や二次感染の可能性が高いです。小さな子供では肺炎症状の苦しさと辛さこれから行われようとしている治療や処置に対する不安がありますし子供が肺炎を発症したことで家族の気持ちも動揺しています。
合併症や二次感染では膿胸、中耳炎、髄膜炎を併発しやすい病気です。発熱の経過や咳や痰の状態の変化、耳痛や難聴の有無や頭痛などにも注意が必要です。不安に対しては子供の表情や行動、言動の観察をして年齢の発達状態に応じて病状の説明をします。
治療中に子供の頑張りがみえた時は心から褒めることが大切です。小児の看護は患児だけでなく家族も含めて看護をすることが必要です。
子供が肺炎を発症したことで疲れや自責の念を抱いてはいないか、他の兄弟姉妹の様子などにも気を付け子供が落ち着いて療養できる配慮が必要です。
家庭での小児肺炎看護
発熱はウイルスや細菌と戦い活動を弱める防御反応です。「高熱で後遺症が残る」や「肺炎になる」は誤解です。脳の病気以外での高熱は後遺症の心配はありません。肺炎で熱が続くことはありますが逆はないのです。
大切なことは発熱したときのことを覚えておくことです。高熱が出ても厚着やたくさん布団を着せて無理に発汗させることはやめてください。
38度以上の時は首筋や脇の下また鼠径部を冷やすことです。そこには太い血管が通っているので血液が冷やされ熱が下がりやすくなります。高熱なので解熱剤を使用したくなりますが解熱剤は熱を下げることができても病気を治すことはできません。
副作用から考えても子供に使用できる解熱剤は少ないのです。子供は高熱でも意外と元気ですが38.5度以上になり辛そうなときにアセトアミノフェンを使用してください。子供にはボルタレンは禁忌となっています。
2歳未満の乳幼児は体の水分が多いので簡単に脱水症状を起こします。自分で水分摂取ができないので十分注意してください。半日以上おしっこが出ないときは脱水症が疑われるので早急に受診してください。
小児の肺炎
肺炎は世界の小児において大きな死亡原因の1つです。5才未満の死因の15%を占めています。
肺炎はウイルス、細菌、真菌が肺に入り込むことで起こる病気です。予防接種や栄養摂取環境要因への対応で予防が可能な病気です。
細菌が原因であれば抗菌薬を使用しますが必要な抗菌薬が投与されているのは肺炎を発症した小児の1/3です。
肺は肺胞と呼ばれる小さな袋の集まりからできている呼吸器です。健康な人が呼吸する時は空気で満たされているのですが肺炎にかかると肺胞は膿と液体で埋まり呼吸が苦しくなります。酸素の摂取量も制限されてしまうのです。
肺炎から小児を守ることができる病気です。予防することもできます。僅かな費用で高度医療技術もいらない医療と看護で回復します。
まとめ
小児肺炎の家庭での看護計画
肺炎の原因
肺炎の小児看護問題
家庭での小児肺炎看護
小児の肺炎