急性肺炎などですぐ救急車や病院に駆け込む所に住んでいるならば、重篤になる前に医師にみてもらえるとは思いますが、それでも緊急時に対処法の有無は大きな差を生み出します。
肺炎 の程度にもよりますが、家で 看護 する時の注意点を中心に肺炎について考えてみましょう。
肺炎を重篤にしないための看護とは?!
肺炎とは
多種多様な病原菌の感染によって肺に炎症が起きる状態です。基本的に抵抗力がなく免疫力が弱まる時が一番なりやすいようです。
要因となる細菌やウイルスは、普段の生活で必要な呼吸時に鼻や口から体内に入ります。健康体ならば、のどでこういった病原菌を取り除いているので何の問題もおきません。風邪などをひいてのどに炎症が発生すると、病原菌がそのまま肺までやってくるために炎症を起こすのです。
ただし、風邪にかかった人がすべて肺炎になるのではなく、肺に入り込んだ病原菌の感染力が人の免疫力を超えた場合のみに発症するのです。
年齢層別では、乳児期は細菌によるものがほとんどで、幼児期では細菌とウイルスの双方が多く、児童期では肺炎マイコプラズマや肺炎クラミジアによるものが多いようです。原因となる細菌で筆頭にあげられるのはインフルエンザ菌、次に肺炎球菌となります。
肺炎の症状
肺炎の主な症状はせき、発熱、悪寒、胸痛、せき、たん、呼吸困難などで、個人差や程度の差はみられますが数日間症状が続きます。浅く早い頻度の高い呼吸と脈が特徴です。チアノーゼと言われる、くちびるや爪の色が青黒くなる変化も見逃さないように注意すべきです。
肺炎は肺の症状ばかりでなく、上・下気道感染症を併発することが多く、同時に発熱、悪寒、頭痛、関節痛、せき、たん、胸痛、呼吸困難などがあります。
検査・治療方法・入院の有無
肺炎があっても、外来での治療は可能ですが、発熱が持続し、咳が強く水分も十分にとれないなど、体調不良の場合は入院治療が必要です。
通常すぐに判断がつかない細菌培養より、胸部レントゲン写真や採血結果で原因が細菌かウイルスかマイコプラズマなのかを踏まえて治療を始めます。
病原菌やマイコプラズマに対しては抗菌薬が使用され、とくにマイコプラズマではマクロライド系の抗菌薬が使用されます。ウイルス性では、インフルエンザウイルスなど一部のものには有効な抗ウイルス薬が使用されますが、それら以外には有効な薬剤がないのが現状です。
気管支を拡張する気管支拡張薬や、たんを切りやすくする薬を使用します。
症状・経過観察
肺炎球菌がのどなどから侵入し発症した場合、細菌性髄膜炎になっても初期症状は発熱くらいで、血液検査をしてもかぜと区別ができません。その後ぐったりする、けいれん、意識がないなどの症状があらわれます。診断がついても抗菌薬が効かない耐性菌が多く、治療は難しいです。
肺炎をおこした場合は、ウイルス性肺炎と異なり重症になります。中耳炎の場合は、耐性菌が多いので重症で治りにくいです。
重症になると
髄膜炎による後遺症として、発達・知能・運動障害などのほか、聴力障害がおこることがあります。肺炎球菌による細菌性髄膜炎は、死亡が1割前後、後遺症率は3~4割とヒブによる髄膜炎と比較しても倍くらい高くなります。
ヒブによる髄膜炎も同様で、後遺症がなく完治した思われた子供が、中学生頃になると軽い知能障害がでてくる場合もあります。
家で小児の肺炎を看護するときの対応
発熱時の対応として、38.5度以上になって本人が辛そうにしているならば、解熱剤を使用する方が良いです。一度使用したら次に使うときは6時間以上必ずあけること、1日2回までの服用であることを忘れないで下さい。
また解熱薬以外にできることとして、熱が出たときはできるだけ汗をかかせることです。実際汗をかけば体は冷やされるので一番理にかなった熱の下げ方でもあります。看護する時、40度くらいのお湯につけて絞った温かいタオルで体を1時間おきの頻度で拭いてあげましょう。
タイミング的には熱の出始めではなく、手足・胸やおなかの体全体が熱くなったら開始です。その際は水分補給や室内の換気・湿度にも配慮すべきです。家族も含めて皆で看護をするという姿勢が大事です。
そして、子供が落ち着いた気持ちでいられるようにケアしてあげましょう。
まとめ
肺炎を重篤にしないための看護とは?!
肺炎とは
肺炎の症状
検査・治療方法・入院の有無
症状・経過観察
重症になると
家で小児の肺炎を看護するときの対応