今回は、重症になれば最悪の場合、命に関わる事態になる危険な可能性を秘めている肺炎の中から子どもがかかりやすい 肺炎 の特徴と、受診や 完治 の目安をはじめ、肺炎を知っている人でも意外と見落としやすい症状をご紹介していきたいと思います。
咳がない肺炎も!完治の目安は?
風邪じゃない!ウィルス性肺炎
幼児の肺炎の中でも―番多いのが、RSウィルスをはじめとしたインフルエンザウィルス、パラインフルエンザウィルス、アデノウィルス、麻疹ウィルス、水痘ウィルスなど多数のウィルスが原因を引き起こすウィルス性肺炎です。
肺炎の中では、もっとも多いものですが、たとえ発症しても、症状が、発熱や、鼻水などの風邪に似ており、一番見逃しやすい肺炎です。
抗生剤が効きにくく、主に淡を切りやすくする薬や、気管支を拡げる薬などの対処療法で治療を行いますが、比較的症状が軽く短期間で自然に回復することが多く、入院する必要性のない場合もあります。
一番怖い!細菌性肺炎
子どもがかかる肺炎の中で最も怖いのは、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌といったグラム陽性菌と、インフルエンザ菌やクレブシエラなどのグラム陰性菌などの細菌性の肺炎です。
突然40度前後の高熱が出て、激しい咳が伴い食欲不振、悪寒、呼吸困難など重い症状が特徴で、受診が遅れた場合には重症化して生命に危険が及ぶこともありますし、しかも細菌の種類により選択する抗菌薬の種類が違ってきますので治療も慎重に行わなければなりません。
しかし、適度な肺炎球菌などのワクチン接種により重症化を防けたり、軽症の場合は、飲み薬や点滴等の抗菌薬による治療が行われることにより完治が望めますし、万一、入院してしまったとしても1週間程で完治となることが多いです。
主席停止?!マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は学校や幼稚園などで集団感染しやすく、発熱しても38度以下のことが多いですが、夜中から朝方にかけて咳がひどくなるのが特徴とされており、患者の咳やくしゃみによる飛沫感染と、患者との接触による接触感染での二次感染によって起こる病気です。
また治療法としては、一般的な抗生物質では効かないので、きちんと確定診断をしてからマイコプラズマ肺炎専用の薬を使って治療します。
潜伏期間中から咳などの症状が発症している1~2週間の間は、周囲への感染の可能性があると言われていますが、咳が長引くとその分、二次感染を起こす期間が長くなりますし、症状が治まったとしても1か月以上体内に残ることもありますので注意が必要です。
※感染していることがわかった時点で、幼稚園や学校では学校保健安全法により出席停止の措置がとられます。
見落とさないで!些細な違い
咳や、発熱などの様子がみられたら肺炎を疑い受診することをお勧めします。そしてもし、意識障害や呼吸困難、チアノーゼ、血圧の低下などがみられた場合は、重症肺炎の兆候の可能性がありますので緊急に医療機関を受診してください。
いずれにしても、こどもの肺炎はどんな些細な症状も見逃さず、症状にあった治療をすることが大切ですし、何よりも早期発見、早期治療が大切ですので、少しでも様子がおかしいと感じたら、一日も早く病院へ行くことを強くお勧めします。
咳がなくても病院へ!
たとえ今現在、咳や淡が出ていなくても、肩で息をしていたり、一時的な発熱があったり、いつもより食事や水分の摂取量が少なかったり、おしっこが出ていなかったり、いつもより元気がない様子が見られたらすぐに受診してください。
実は、このような症状も肺炎の可能性を示唆している可能性があるのです。
また、いずれの肺炎も、血中酸素濃度数値「SpO2」、胸部エックス線画像や酸素量や、血液検査で炎症や感染症を調べる指標「CRP」が入院や退院をはじめ、完治の基準となることもありますし、以下の内容は、どの病にも共通することですが、看病をしていてもし、何か気になる点や、疑問点が出てきた際には、どんな些細なことでも全く構わないので、必要に応じセカンドオピニオンを利用することも視野に、納得のいくまで医師に相談・質問をしてください。
それが、早期発見、早期治療、そして完治への近道になるのです。
まとめ
咳がない肺炎も!完治の目安は?
風邪じゃない!ウィルス性肺炎
一番怖い!細菌性肺炎
主席停止?!マイコプラズマ肺炎
見落とさないで!些細な違い
咳がなくても病院へ