子どもの歯ぎしりは一過性のものではありますが、酷いと歯が破壊されるだけでなく、歯周病や噛み合わせが悪くなるなどの悪い影響を及ぼします。そこで、予防として 歯ぎしりくん など市販のマウスピースを使うことは子どもの口腔内に何の問題もないのでしょうか?
歯ぎしりくんなど市販のマウスピースによる歯ぎしり対策(前編)
歯ぎしりによる影響
睡眠時、無意識のうちに上下の歯により圧力が掛けられる歯ぎしりですが、およそ300~900kgもの力が加わっていると言われています。通常、食事の際に歯に加わる力が約3~10kgなりますが、睡眠中は抵抗する力が働かないことから、およそ100倍もの負荷が歯に加わるのです。
この歯ぎしりは、歯がすり減るだけでなく、亀裂が入る、歯が欠ける、元から折れるなどの影響が出ます。一昔前だと、噛み合わせの悪さから歯ぎしりが起こると言われていましたが、実際は歯ぎしりの影響により噛み合わせが悪くなるということが分かっています。
その他にも歯周病の悪化や顎関節症、肩凝り、頭痛など歯ぎしりから起こり得る疾患や不調はさまざまあり、思いもよらないところに影響を及ぼしています。
そこで、肩や首の凝りの要因の1つに歯ぎしりがあるという事実について知っていますか?これは、大きな圧力が顎の筋肉だけでなく肩や首、側頭部の筋肉を萎縮させることにより生み出されるために、筋肉が疲労し、血行不良になることから生じます。
これらの凝りはなかなか改善が難しいことから慢性化し、この慢性化さした凝りが自律神経のバランスが乱れに繋がり、うつや自律神経失調症、ドライアイ、慢性疲労症候群、パニック障害、便秘、めまいなどさまざまな病気を引き起こします。
子どもの歯ぎしり
歯ぎしりの原因ははっきり解明されていませんが、遺伝やストレスなどがさまざまなことが要因として考えられています。
その他、逆流性食道炎や睡眠時無呼吸症候群に原因がある歯ぎしりもあります。
この場合、専門医による治療が必要になりますが、原因がこれ以外にある場合は、食生活を含めた生活改善からスタートし、それでも改善されない場合や歯の磨耗程度が進行する場合にはマウスピースを使ったスプリント療法による治療が行われます。
子どもの場合、大人に比べて睡眠時間が長い上に、リズムも整っていないことから歯ぎしりをすることがよくあります。しかし、子どもの歯ぎしりには大切な意味があります。
産後すぐの吸う動きから噛むという動きへの移行や乳歯が生える際に噛み合わせで安定する位置を確認するなど歯ぎしりは成長過程における生理的現象と考えられています。
また、歯ぎしりにより顎の筋肉が鍛えられるため、噛む力も育むという役割もあります。そうすると、ストレスなど他に考えられる原因がない場合、子どもの歯ぎしりは大人の歯ぎしりとは全く意味が異なるものになり得ます。
一般的には子どもの歯ぎしりは成長と共に治ることが多いと言われています。
まとめ
歯ぎしりくんなど市販のマウスピースでの歯ぎしり対策(前編)
歯ぎしりによる影響
子どもの歯ぎしり