子どもの歯ぎしりは、顎や筋肉の発達を促し、成長と共に本来在るべき位置の確認や噛み合わせのバランス調整など発育期における必要な行為です。また、正常な発達の証とも言えます。
では、 歯ぎしり を軽減させるための 対策 の必要性はないのでしょうか?
子どもの歯ぎしり対策の必要性。一過性の可能性も?
歯ぎしりの原因
子どもの歯ぎしりは、乳幼児期に上下の前歯の乳歯が生える時と乳歯が永久歯に生え変わる時に多くみられる現象になります。
乳幼児期の歯ぎしりは、顎や筋肉の発達を促す効果があり、噛む練習をしていると言われています。
次に、生え変わりの時期の歯ぎしりは、生え変わりを促す効果があり、歯並びのバランスを調整していると言われています。
このように、歯ぎしりは成長過程における正常な生理現象で、重要な役割を持っているわけです。
しかし、上記以外にも原因は考えられます。生活環境や人間関係の変化によるものです。歯ぎしりは精神的なストレスも大きな要因になり得ます。
その他に、唾液の分泌量の増加や胃酸の逆流、寄生虫などが原因としてあげられます。また、責任感が強い性質や、夜更かしの習慣など個々の持つ性格や生活習慣も関係している場合があります。
この他にも、寝る時の姿勢が関係している場合もあります。うつ伏せ寝や横向き寝は、歯と顎の位置が不安定になることから歯ぎしりを引き起こす可能性があるようです。
ストレス性の歯ぎしりの根本原因
先ほど、子ども歯ぎしりの原因としてストレスも取り上げましたが、ストレス性の歯ぎしりの場合、ストレスを取り除き、子どもの精神状態を安定させて上げる必要があります。
そのストレスの原因としては、前述のような環境や人間関係の変化によるものが主な原因にはなりますが、現代社会を生きる子ども達にはもっと根本的な原因が潜んでいる可能性も考えられます。
子どもは発達過程で、遊びを通して身体全体から刺激を感じます。その刺激が脳の神経発達を促します。この大切な発達過程で刺激が不足すると、情緒の安定や注意力、落ち着きに影響すると言われています。
つまり、必要とされるのびのびと体を使った外での遊びが不足することでストレスの要因も増えているのです。子どもの本来あるべき姿を疎かにせず、今一度見直してみては如何でしょうか?
また、就寝前に子どもに絵本を読み聞かせることやその日の出来事を話すことでもストレスの軽減が期待できます。子どもの心に向き合ってあげること、すなわち愛情を伝えることも歯ぎしり対策の1つと言えます。
対策と治療
基本的に子どもの歯ぎしりは成長と共に改善されることが多い為、具体的な対策は必要ない場合が多いです。しかし、歯の極端な磨り減りや痛み、グラつきがみられるような場合はそこから歯周病を引き起こす可能性があるため、専門医にみて貰う必要があります。
小児歯科では、治療が必要な場合はマウスピースの装着や噛み合わせの調整を行います。マウスピースの場合、永久歯の萌出の妨げにならないように定期的な調整や再製作が必要になります。また特殊ではありますが、寄生虫に要因がある場合は検査を受けることもあるようです。
また、顎関節症の兆候として歯ぎしりをすることもあります。口を開く時や物を噛む時に痛みがあり、口を大きく開けられないなどの症状がある場合は注意が必要です。顎関節症は基本的に良性の病気で自然治癒することもよくあります。
ただ、症状が長引く場合は、別の病気が潜んでいることも考えられますし、長期化することで心身のストレスにもなり兼ねません。気になる場合は専門医に相談しましょう。
自宅での予防
専門医の受診が必要な場合を除くと、歯ぎしりは自宅での予防が大切になります。前述のように、生活習慣の改善やストレスの軽減、寝る間際に食事をしないこと、夜更かしをしないことなどが主な予防方法となります。
歯ぎしりなど、子どもの成長段階であらわれる整理現象は成長と共に症状が軽減することもが多いため、軽く捉われがちですが、中には病気のサインも潜んでいる可能性があるため軽視してはいけません。
親をはじめとする周囲の大人が子どもの症状をきちんと把握し、必要に応じて専門医の診断を受けることが子どもの健全な成長には必要となるでしょう。
まとめ
子どもの歯ぎしりの原因と対策
歯ぎしりの原因
ストレス性の歯ぎしりの根本原因
対策と治療
自宅での予防