子どもの 歯ぎしり はその要因のほとんどが成長過程に置ける一過性のものであるが故に、特に心配は要りません。しかし、生理的現象以外のストレスや歯並びなどに要因にある場合、歯の磨耗などの弊害が生じる恐れがあります。
では、有効な 治し方 はあるのでしょうか?
さまざまな悪影響を及ぼす過度な歯ぎしりの治し方
歯ぎしりの原因
一般的に、乳歯が生え始める時期、乳歯が生え揃う時期、乳歯から永久歯に生え変わる時期に生じる睡眠中の歯ぎしりは正常な現象と考えられており、10~20%の割合の子どもに発症しています。
また、これらの生理的な歯ぎしりは幼児期にピークを迎え、学童期には減少するということがわかっています。成長過程に起こる歯ぎしりは顎の骨や筋肉の成長を促し、噛み合わせのバランスを調整する大切な役割を担っているのです。
しかし、ストレスや夜型の生活、口呼吸、猫背や頬杖などの姿勢、咀嚼不足などに原因がある歯ぎしりは歯並びや噛み合わせに悪い影響を及ぼすため、生活習慣を見直すなどの改善が必要です。
この他にも、歯ぎしりを誘引する原因として、薬の副作用、虫歯や不適合な被せ物、抜歯による影響などの口腔内環境、全身疾患による肉体的なストレス、胃食道逆流症などが考えられます。
歯ぎしりによる悪影響
一晩の歯ぎしりは一生分の咀嚼に値するほどの負荷が顎や歯にかかります。また、日中、無意識にしている歯ぎしりや食いしばりが歯の喪失に深く関与していることが最近の研究で解明されています。
原因が何であれ、過度な歯ぎしりや食いしばりはプラキシズム(口腔内悪習慣)と呼ばれ、歯の磨耗やヒビ、周囲の骨の溶解、神経の露出、歯周病の悪化などを引き起こします。
また、耳鳴りや睡眠障害、自律神経失調症、更に、歯ぎしりにより顎の位置が下がることは顎関節症や無呼吸症候群などの二次障害にも繋がり兼ねません。
この他にも、歯ぎしりをする子どもにはイライラや落ち着きのなさ、集中力の欠如などの症状がみられることがよくあります。これらは学力低下などを招くだけでなく、日常生活に支障をきたす恐れもあります。
この他、夜尿や寝言、夢中歩行、いびき、扁桃肥大、ADHDなどの症状をもつ子どもに歯ぎしりが併発する傾向があることが分かっています。
治療が必要な歯ぎしりと治し方
基本的に治療の必要がないと言われる子どもの歯ぎしりですが、永久歯が生え揃う時期を過ぎても続く場合や歯や顎に痛みを感じる場合、歯の磨耗やぐらつきがある場合は治療が必要です。治療法としては自宅でのケアと歯医者での治療があります。
自宅でのケアはしっかりと咀嚼する習慣をつけることや姿勢を正して生活すること、リラックスできる環境を作ってあげることなどです。歯医者での治療法にはさまざまありますが、原因が特定しづらい歯ぎしりにはこれといった明確な治療法は存在していません。
そこで、最初に噛み合わせに影響を及ぼす原因となり得る虫歯や不適合な被せ物、磨耗部分の充填などの調整を行います。
また抜歯による隙間も噛み合わせに悪影響を及ぼすことから調整する必要があります。これらの噛み合わせに対する調整や歯並びの矯正だけで歯ぎしりが軽減することがよくあります。
さまざまな治療法
歯ぎしりには歯列矯正として使用されるマウスピースが有効です。歯ぎしり対策用に用いられる小児用のマウスピースは比較的安価でほとんどの場合、抜歯が必要ない上に、肉体的な負担も少なくて済みます。
矯正には歯ぎしりの改善だけでなく、風邪を引きにくくする、学業向上などのメリットがあります。しかしながら、成長過程にある子どもにマウスピースを使用する場合、顎の成長を阻害する危険性もあることから定期的な調整を行うなどの注意が必要です。
この他にもリマインダーと呼ばれる方法があり、こちらは日中無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしてしまう傾向があるタイプに有効です。普段目に付く場所にシールや張り紙などを張り、意識してやめる習慣を付けます。自分自身の生活習慣を客観視させることはとても有効な手段です。
まとめ
さまざまな悪影響を及ぼす過度な歯ぎしりの治し方
歯ぎしりの原因
歯ぎしりによる悪影響
治療が必要な歯ぎしりと治し方
さまざまな治療法