お子さんの歯ぎしりの音に驚かれた経験のある保護者の方もあると思いますが、子供の歯ぎしりは珍しいことではないようです。ある開業医の調査によれば小学生の3割に歯ぎしりがみられたという報告があるほどです。
歯ぎしり の 原因 についてご紹介いたします。
基本的に心配のない子供の歯ぎしりの原因ですが
歯ぎしりとは
睡眠中に歯と歯をこすり合わせてギリギリという音を出したり、上下の歯をカチカチいわせることを歯ぎしりと言います。子供の歯ぎしりは大人のような音が出ないこともありますが、歯の摩耗や破損が起こったりすることがあります。
歯ぎしりのほとんどは無意識に行われていて、本人には自覚がありません。
歯ぎしりとくいしばりは「ブラキシズム」という一つの病名で呼ばれることがあります。歯ぎしりを治そうとするとくいしばりの症状が出て、くいしばりを治そうとすると歯ぎしりの症状が出ることから歯ぎしりとくいしばりは表裏一体の症状であると考えられています。
子供の歯ぎしりの特徴
乳歯が生え始めた乳児でも歯ぎしりをすることがあるようです。これは噛み合わせの調節や顎の骨の強化のためにすると考えられています。
2~3歳で乳歯が生えそろうと奥歯の違和感を感じ、噛み合わせが気になるので歯ぎしりをすると言 われています。
4~6歳は乳歯から永久歯への生え変わりの始まる時期にあたります。顎も大きくなりますし、サイズの違う歯が口の中に混在するので噛み合わせを調節しようとして歯ぎしりをすると考えられています。
年齢によってさまざまな歯が出てくる子供時代は常に噛み合わせの悪い状態におかれているようなものです。その噛み合わせの悪さを修復しようとする行為が歯ぎしりとなっているのです。
6歳頃に第一大臼歯が出てから13歳頃第二大臼歯が出るまでの間、子供の口の中は日々変化を遂げているのです。
乳歯から永久歯への生え変わりが終わり、永久歯が完全に萌出して本来の高さになって正しい噛み合わせの位置に落ち着くと子供の歯ぎしりは治ることが多いのはそのためです。
ストレスが原因の子供の歯ぎしり
もちろん、子供にもストレスが原因の歯ぎしりもあります。入園・就学時には新たな環境に慣れるまで大きなストレスを感じるお子さんもあると思います。
また、家庭においても第二子の誕生などで自分の置かれている環境が変わったと感じるといったストレスが生じることなどもあるでしょう。
保護者に思い当たるようなストレスの原因がある場合には意識的にお子さんと触れ合う時間をとるように心がけ、お子さんの話を聞くように努めてみてください。
心配な歯ぎしりの体への影響
基本的に子供の歯ぎしりは噛み合わせを修正しようとする自然な行為で、噛み合わせがうまくいくようになれば収まると言うものの、全く体に悪影響が出ないとは言い切れません。
まず、強い歯ぎしりを続けることで顎関節症の原因になることがあります。また、歯が摩耗したり、場合によっては破損・欠損したりする可能性もあります。驚くべきことには、歯の半分がすり減ってしまうようなことさえあるようです。
歯をくいしばるときには体重の2~3倍もの力がかかってしまうと言われていますので、睡眠にもよい影響を与えることはないと考えられます。
永久歯が生えそろってからも歯ぎしりが続くようであれば、噛み合わせを修復するための歯ぎしりではない可能性がありますので、歯科医の受診をお勧めします。
低年齢であっても歯ぎしりによって歯のぐらつきがあるとか、痛みを訴えるような場合も歯科医を受診すべきです。顎の骨が小さすぎたり、気づかないでいる虫歯の違和感があるための歯ぎしりである可能性などが考えられます。
歯科医に相談すると、まずマウスピースの装着を勧められることになると思います。歯列矯正用のマウスピースは歯ぎしりの対策にも非常に有効です。また、ほぼ永久歯に生え変わった後も続く歯ぎしりには歯列矯正が必要な場合があります。
まとめ
基本的に心配のない子供の歯ぎしりの原因ですが
歯ぎしりとは
子供の歯ぎしりの特徴
ストレスが原因の子供のはぎしり
心配な歯ぎしりの体への影響