誤嚥性 肺炎 とは高齢者だけの病気だと思っている方がほとんどかもしれません。しかし子供にもその危険が及ぶ原因が多くあり最悪死をもたらす病気です。日常生活の中に転がるその危険な原因を少しでも除外すべく子供に多い発症原因や予防策を詳しくご紹介します。
子供の誤嚥性肺炎の症状と予防策とは?(前編)
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥とは飲食物が食道ではなく誤って気管に入ってしまう事です。飲食物を飲み込む力の弱さや飲み込む神経の働きが悪い状態だと誤嚥が起こりやすくなります。口の中は36度から37度に保たれていて通常は唾液によって潤されています。
その条件下で嚥下できなかった食べ物片などが細菌繁殖しやすくなります。細菌繁殖した食べ物片が何かの拍子に気管に入る事で肺炎を引き起こします。咳・痰・高熱という一般的な肺炎の症状が出ないこともあるため発見が遅れて重症化してしまう場合もあり十分注意が必要です。
誤嚥性肺炎の主な症状は痰がからんだ咳が出る(主に黄色の痰)・顔色が悪くなる・呼吸音がクリアでない(雑音が入る)・食事中にむせる・食欲がない・微熱が続くなどです。
誤嚥性肺炎を防ぐためには?
誤嚥性肺炎を防ぐためにはまず誤嚥が発生する状況を作り出さない事が重要です。食事中の姿勢への配慮はとても重要になります。
前かがみになりすぎると腹筋が使いにくくむせやすい状態になります。水分の少ない食品もむせやすく誤嚥しやすくなるためまめに水分補給をしながら食べるようにしましょう。また食べ物を一気に口の中に入れると呼吸しづらく噛みにくいため誤嚥しやすくなります。
誤嚥を避けるためには十分な咀嚼(そしゃく:食べ物が細かくなるまでよく噛むこと)が最も重要になります。誤嚥を予防するためには食事の仕方に加え口の中に細菌が繁殖する事を防ぐために歯磨きをまめにして清潔に保つことがとても重要になります。
子供の誤嚥について
乳幼児期はまだ食べ物を胃に飲み下す力が弱いため誤嚥しやすいといえます。生後4ヶ月頃からは色々な物を手でつかむことが出来るようになって7ヶ月から8ヶ月頃になると一人でご飯を口に運ぶ子も出てきます。
しかし一人で食べるようになると適量が分からず口いっぱいに食べ物を入れてしまうことが多々あります。口いっぱいの食べ物はきちんと噛み砕いて飲み込むことが困難なため誤嚥する可能性が高くなります。子供に与える食事は小さく切ってよく噛むようにさせる必要があります。
また子供は食事中注意散漫になる事がとても多くあります。口の中に物が入ったままおしゃべりや動き回っているうちに誤嚥してしまいます。特に嚥下しにくい食べ物はプリン・ゼリー・豆腐など柔らかいものやシチューなどとろみの付いたものです。
逆に一口で入る食べ物やぱさぱさした食べ物は喉が詰まりむせやすくなります。過去には団子・果物・野菜・パン、そしてこんにゃくゼリーでの誤飲事故が発生して中には窒息死した事例もあります。子供の気道異物の約80%は食物片の誤嚥と言われています。
嚥下機能が未熟で歯が生え揃っておらず噛む力が不十分なため誤って気管に入る頻度が高くなります。しかしそれを吐き出す力がまだ弱いため結果的に誤嚥性肺炎になりやすいのです。子供が誤嚥性肺炎になる原因は子供特有の行動がより誤嚥事故を起こしやすいという事がわかります。
まとめ
子供の誤嚥性肺炎の症状と予防策とは?(前編)
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎を防ぐためには?
子供の誤嚥について