ギラン・バレー症候群は、まだまだ社会の認知が進んでいるとは言えず、一見風邪のような症状から発症していくので発見が遅れがちです。熱が出て、次の日突然立ち上がる事が出来ない。そこで初めて何か重大な病気にかかったのではと気づきます。
ギラン・バレー症候群 は急激に体の自由が利かなくなり最悪、呼吸機能がうまく働かず人工呼吸器を使用しなければならなくなるなど等重篤な状態にまで陥る事があります。
芸能人の大原麗子さんや釈由美子さんがギラン・バレー症候群にかかった時に一時話題にもなりました。現代医学では比較的改善される病気になりましたが、過酷なリハビリテーションに取り組まなければなりません。正しく理解し、あきらめることなく前進してください。
ギラン・バレー症候群とリハビリテーション(前編)
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ギラン・バレー症候群とは
ギラン・バレー症候群は約10万人に一人程度の発症確率で、男性にやや多くみられ、40歳前後の成人に多くみられるといった特徴があります。主に目立つ症状としては手足に力が入らない弛緩性の麻痺が徐々に進行し、自分で動くこともままならず寝たきり状態になっていきます。
さらに、脳神経系の障害も多くみられ、顔面麻痺や手足の感覚の鈍さなども合わせて起こる事が多くみられます。重度化すると呼吸するための筋肉まで弱くなってしまい自力で呼吸をすることができず、人工呼吸器を一時的に使用しなければならない事態にまで至ります。
ギラン・バレー症候群の発症時はウイルスや細菌性の風邪の症状に似た前駆症状がある事が多く、発熱や、下痢の症状がみられますので、風邪と間違われ発見が遅くなりがちです。その為、発見し治療を開始する時には症状がかなり進んでいるという事もまれではありません。
見た目には、進行するにしたがって筋肉も細くなり、食事もとりにくくなって来る為、激やせします。状態が悪くなるほど後遺症がその後残る可能性も出てきます。
原因
はっきりとした原因は解明されていませんが、有力な説ではウイルスや細菌感染が契機となって引き起こされる自己免疫疾患であると言われています。
感染によって人間はそれらを退治する為の抗体を作りますが、その抗体が手足などの末梢神経の大事な部分まで攻撃してしまう事が要因で、神経伝達がうまくなされず筋肉の麻痺がおこるものと考えられています。
ギラン・バレー症候群の発症原因として関連性がはっきりしているものもあり、サイトメガロウイルス、EBウイルスさらに、細菌とウイルスの間に位置するマイコプラズマ、細菌ではカンピロパクターといった4つが知られています。
また、これらに対する予防接種のワクチンでも発症契機につながる事が分かっています。カンピロパクターを契機とするギラン・バレー症候群は進行が速く、予後が不良な事が多いですので注意が必要です。
体を動かしにくくなる前に下痢の症状が見られていた場合はカンピロパクターによるギラン・バレー症候群の疑いが強く持たれますので、診察の際の大切な情報になります。必ず医師に風邪症状や下痢が無かったか過去2週間ぐらいの経過を話せるようにしておきたいものです。
後編では、ギラン・バレー症候群の治療法とリハビリテーションについてご紹介します。
まとめ
ギラン・バレー症候群とリハビリテーション(前編)
ギラン・バレー症候群とは
原因