下痢という言葉を聞いて思い浮かべるのは差し込むような腹痛ではないでしょうか。ところが、下痢が続くにもかかわらず、腹痛なしという症状の場合があると言います。
一体、どのような理由で 腹痛なし の 下痢 が 続く のでしょうか。考えられる原因と対処法などをご紹介いたします。
腹痛なしの下痢が続く場合はどうしますか
子供の下痢の原因
子供の場合非常に多くみられるのはウイルス性や細菌性の胃腸炎による下痢です。幼いこどもは大人に比べると免疫力が低いためにこれらの胃腸炎に感染しやすいのです。
さらに同じウイルスのなかにも血清型が違うなどという理由で、免役がつきにくく、何度も感染してしまうということもあります。
冬期のロタウイルスや通年にみられるアデノウイルスなどによる胃腸炎は感染力も強いため、大流行をきたしてしまうことがあります。また、O-157やサルモネラ、カンピロバクターなどの細菌感染による下痢では便に血が混じるようなこともあります。
現代はストレス社会であると言われていますが、ストレスにさらされていることでは子供も例外ではありません。ストレスが原因の心因性の下痢は子供にもみられます。
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下痢の分類
下痢はその起こり方で大きく2つに分類することができます。
多くが食中毒である細菌性の下痢や多くが風邪による胃腸炎であることが多いウイルス性の下痢は急性のものがほとんどであると言えます。原因に思い当たる節があるのもこの急性下痢の特徴の1つです。
一方、長期間にわたって下痢が続く持続性下痢は、吸収不良症候群、反復性軽症下痢もしくは過敏性腸症候群、腸炎症候群など大きく3つに分類することができます。
何らかの原因の急性の下痢に引き続き、だらだらと下痢が続くことがあります。これは吸収不良症候群の中の二次性乳糖不耐症による下痢であることが非常に多いです。
ウイルス性胃腸炎などで腸の粘膜が脱落してしまい、乳糖分解酵素の働きが低下することによって引き起こされると言われています。
便の検査や乳糖を除去したミルクや食事を摂ると下痢が快方に向かうことでも診断することが可能です。多くの場合、二次性乳糖不耐症は1~2週間で回復します。
乳糖不耐性とは牛乳を飲むと下痢をする、おなかがゴロゴロするというようなことで経験のある保護者もあるかもしれません。腹痛を伴う場合も伴わない場合もあります。
腹痛や下痢を起こしやすい過敏性腸症候群と呼ばれる病気は大人だけのものではありません。年長児になると大人の過敏性腸症候群を思わせるような症状のお子さんがあります。
反復性軽症下痢と言って下痢とともに腹痛を訴える場合も腹痛はない場合もあります。疲れやすく、朝起きにくいなどの症状をあわせもっていることが多く、起立性調節障害を併発している場合があります。
反復性軽症下痢とは体質的にすぐ下痢をしてしまう、いわゆる「おなかの弱い子」の症状です。原因ははっきりしませんが疲れやすく、腹痛を訴えることも多いようです。
登園前の時間帯や未就園児であれば叱られたときなどに起こることが多いことから心因性であるとも言われています。感受性が強く、言葉で表現できない気持ちが処理できない状態になると症状が出てくるとも言われています。
下痢が続く時の対処法
現在ではほとんどの場合、下痢の原因を特定することが可能です。たとえ腹痛を訴えなくても長く下痢が続くようであれば、小児科を受診してその原因をはっきりさせることをお勧めします。
たとえば、二次性乳糖不耐症であれば、乳糖を摂取することをやめるだけで下痢は解消します。
嘔吐や吐き気を伴う、血便が出ている、ぐったりしているなどの場合はたとえお子さんが腹痛を訴えなくても小児科を受診すべきです。
下痢が続く時に一番注意しなければならないことは脱水症状にならないようにすることです。こまめに水分を補給することが何より大切になってきます。
その際、湯冷ましや子供用麦茶などでは血液中の塩分が不足してしまいますので、子供用のイオン水を用いるようにしてください。
まとめ
腹痛なしの下痢が続く場合はどうしますか
子供の下痢の原因
下痢の分類
下痢が続く時の対処法