下痢 には、短期で治まる急性下痢と長期にわたって 続く 慢性下痢とがあり、原因はそれぞれ異なります。慢性下痢の場合は、その他の病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
それでは、急性下痢と慢性下痢のそれぞれの原因について見ていきましょう。
下痢が続くときは要注意!病気のサインかもしれません。
急性下痢の原因
急性下痢は、主にウィルス性下痢と細菌性下痢とに分けられます。
ウィルス性下痢は、ロタウィルス、ノロウィルス、アデノウィルスなどのウィルスに感染することによって発症します。夏にだけ発症すると思われがちですが、ウィルス性下痢は1年中かかる可能性のある下痢で、激しい嘔吐や発熱といった症状を伴います。
また、ウィルス性下痢の場合は、便に白っぽいものが混じるのが特徴です。
細菌性下痢とは、夏によく起こる「食中毒」のことです。サルモネラ菌やカンピロバクター菌、大腸菌、ブドウ球菌といった菌が原因であることが多く、十分に調理されていない肉などから感染することが多いようです。
細菌性下痢を発症すると、下痢便の中に血が混ざったり、下痢便が生臭く鼻につくような臭いであったりします。
急性下痢の治療とケア
ウィルス性下痢、もしくは細菌性下痢を発症した場合は、病院を受診しましょう。赤ちゃんの場合は下痢便を持参すると、下痢便を検査して原因を突き止めることが出来ます。
細菌性下痢は大抵の場合、症状が重くならずに済むことが多いので、自宅療法で完治を待ちます。
しかし、ウィルス性下痢の場合は下痢や嘔吐の症状がひどく、入院が必要となる場合があります。
特にロタウィルスは、激しい下痢と嘔吐で脱水症状になる危険があり、そのために点滴治療を行うことがあります。
自宅療法をとる場合には、水分補給をしっかりと行い、脱水症状にならないようにすることが大切です。経口補水液を少しずつ何度にも分けて飲むようにしましょう。
慢性下痢の原因
長期にわたって続く慢性下痢の原因は様々で、その背後に何らかの病気が隠れている場合があります。
慢性下痢の原因のひとつ目は体質的なもので、過敏性腸症候群と呼ばれています。過敏性腸症候群とは、精神的ストレスや過度の疲れなどがあると下痢を起こしやすい体質のことで、大人のみならず子供にも見られます。
大腸の内側に出来る腫瘍・大腸ポリーブが原因で下痢や血便といった症状がでることもあります。
また、潰瘍性大腸炎が原因となっている場合もあり、大腸の粘膜が炎症を起こし、そのために長期にわたって下痢と腹痛の症状が続きます。
乳不耐症が原因で下痢が長期化している場合もあります。乳不耐症になると、牛乳や乳製品に含まれている乳糖を分解する酵素の働きが低下します。その結果、牛乳や乳製品を摂取した場合に下痢や嘔吐を起こしてしまいます。
多くの場合は、ロタウィルスなどが原因のウィルス性下痢を発症した後に、乳不耐症を併発しています。
慢性下痢の治療とケア
下痢が続いているときには、水分補給をしっかりと行い、刺激の少ない食事を心がけましょう。
体質的に下痢になりやすい場合は、原因となっているストレスや疲れなどを取り除いてあげることが必要です。十分な睡眠をとったり、大自然の中でのんびりと過ごしたりしてリラックスをするとよいでしょう。
大腸ポリーブが原因の場合、本人は大腸ポリーブに気が付いていないことがよくあります。そのため、下痢が長期にわたって続いたり、血便があったりした時には、病院で便の検査を受けることが大切です。
乳不耐症が原因の慢性下痢も、便検査によって診断がつきます。その場合、乳糖を含まない食事を2週間ほど続けていけば自然と回復をします。
まとめ
下痢が続くときは要注意!病気のサインかもしれません。
急性下痢の原因
急性下痢の治療とケア
慢性下痢の原因
慢性下痢の治療とケア