下痢 と同時に 熱 がある場合があります。急性の胃腸炎、サルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒、腸重積症などが考えられます。腹痛をともない、血便が出ることがあります。いずれかの判断は難しいので医療機関の診断を受け、適切な治療をおこないます。
それぞれの原因によって処置法が異なります。
これが原因|下痢とともに子供に熱があるとき
子供の発熱と下痢の関係
子供はよく熱を出します。その際に下痢をともなう場合があります。熱を出すのは体内に細菌やウイルスがいることが多く、体はそれを撃退するために熱を高くして対応しようとします。
さまざまな理由で下痢と発熱は起こりますが、その理由のうち中心は細菌やウイルスの感染です。これらの感染が下火になると下痢はおさまってきます。ただし下痢があって発熱しない場合にも、のちに示すように重篤なことが起こっている場合があります。
子供では細菌やウイルスの感染にともなう下痢をよく起こします。したがって保護者の方は発熱があるかどうかの症状にはよく注意します。
発熱と下痢:急性の胃腸炎
さまざまな食べ物が入ってくる胃腸の粘膜は傷つきやすいものです。通常はすぐに修復されてつぎの食べ物が来るのを待ちます。
しかし傷の修復が遅れると細菌やウイルスなどがその部分を侵し、体の防御機構がはたらいて炎症をおこすことがあります。急性の胃腸炎です。
体を守ろうとするはたらきからこのような発熱や下痢がおこります。ウイルスによる胃腸炎の場合にはウイルスは全身に広がりやすいためにさまざまなところに症状がおこります。とくに熱が出やすいです。
発熱と下痢:食中毒
食中毒でも発熱と下痢が中心の症状になることがあります。食中毒は細菌とその細菌が出す毒素で起こるものが多いです。その他にも毒キノコやいたんだ食べ物、化学物質などでも起こります。
サルモネラ菌による食中毒はとても多いです。夏の時期に多く発生します。感染力が強いのが特徴です。
海産物の魚介類などでは生で食べると腸炎ビブリオにより食中毒の起こることがあります。発熱は軽いことが多いです。下痢は1日に数回ある程度です。
細菌のカンピロバクターによる食中毒は食肉を生で、あるいは不十分な加熱で食べて起こることがあります。こちらのほうが熱が高く(38度~39度)、下痢は少しあとから起こりはじめます。下痢の回数が多いのが特徴です。
ほかにも病原大腸菌による食中毒が起こることがあります。
毒素型の食中毒
上にあげた食中毒は主に細菌などの感染自体で症状が出ます。それに対してある細菌で起こる食中毒は、感染自体よりも細菌が出す毒素が腸に影響を与えます。これによって体に下痢などの症状が出ます。こちらのタイプの食中毒は発熱しない特徴があります。
なかでも腸管出血性大腸菌O-157は有名です。その他にも黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などによる食中毒があります。
発熱と下痢:腸重積症
小さな子供、とくに2歳以下に多いとされているのが腸重積症です。風邪をひいてウイルス感染したときに、腸のリンパ節を腫らすことがあります。すると腸のぜんどう運動がその周囲だけうまくできなくなります。
その結果、腸のなかに腸が入り込む状態(重積)になってしまうことがあります。通常はその状態からもとにもどるのですが、重積したままにしてしまうと組織が壊死してしまうことがあり危険です。
腹膜炎などを起こしてしまいます。激しい腹痛が断続的にあります。医師の治療が必要になります。
上記の症状を未然に防ぐには食べ物の貯蔵や管理、調理に注意を払うことがたいせつです。さらに子供にも外から帰ったら手洗いうがいを習慣づけられるように指導します。
同時にこうした症状がどんな場合に出やすいか、どうしたら防げるかをふだんからわかりやすく教えて、ふせぎ方を実践していくことがたいせつです。
まとめ
これが原因|下痢とともに子供に熱があるとき
子供の発熱と下痢の関係
発熱と下痢:急性の胃腸炎
発熱と下痢:食中毒
毒素型の食中毒