小さな子どもによくみられる病気のひとつである外耳炎。耳かきや汚い爪でひっかいてしまうことでも発症します。軽度の 外耳炎 は適切な 薬 を使うことで、すぐに良くなります。すばやく治して悪化させないことが大切です。
外耳炎は適切な薬を使ってすばやく治すことが大切
外耳炎とは
耳の穴の入り口の部分から鼓膜の手前までの部分を外耳と呼びます。この外耳の部分が炎症を起こすと外耳炎とよばれる状態になります。外耳炎になると、かゆみや痛み、灼熱感を訴えます。また、耳だれが生じることもあります。耳鳴りや耳閉感を訴えることもあります。
炎症が落ち着くとこういった症状もなくなります。もともと耳に異常がない人の場合は、なにもしなくても数日で自然治癒することもあります。
炎症が起きている部分に触れないようにして2日~3日ほど経過をみても、症状が改善しないときは耳鼻科で治療をしてもらうとよいでしょう。
ただし、小さな子どもの場合は、耳に違和感があると触らないように言ってきかせても、かきむしったり傷に触れたりしてしまいます。そのままにしてしまうと、悪化することもあるので、早めに耳鼻科に行くようにしましょう。
外耳炎の原因
外耳炎の多くは、爪や耳かきで外耳の部分に傷をつけてしまうことによって炎症が起こります。外耳の皮膚は薄いので、もともと傷つきやすいデリケートな部分です。
傷がついた状態のまま、汚れた手で耳を触ったり、あまりきれいではないプールに入ったりすると、細菌感染が起きて炎症を起こしやすくなります。
小さな子どもの耳掃除をするときは、あまり奥まで耳かきを入れないように気を付けましょう。耳掃除してもらうのが好きだという子どもでも、頻繁に耳掃除を行うと外耳に傷をつけやすくなってしまうので、回数もあまり多くならないよう気を付けましょう。
耳鼻科医の中には、子どもの耳掃除を自宅でやらないよう指導する医師もいます。定期的に耳鼻科に通って、耳掃除をしてもらうと安心です。
外耳炎の治療方法
耳鼻科で行う外耳炎の治療では、まず、分泌物を脱脂綿などで外耳道から除去します。
耳がよく聞こえないという訴えがあるときは、分泌物で外耳の部分が塞がれてしまっていることもあります。このようなときは、分泌物を除去するだけで、耳の聞こえがよくなることもあります。
分泌物をきれいに取り除いたら、消毒を行い、副腎皮質ステロイドや抗生物質などの軟膏を患部に塗ります。塗り薬と併用して、抗生物質の内服薬が出ることもあります。外耳炎が進行してしまい膿をもっている場合は、切開することもあります。
外耳道湿疹や真菌などを合併しているときは、治療が難しくなることもあります。また、まれに悪性外耳道炎という緑膿菌を原因とする進行していく外耳炎もあり、一般的な外耳炎との区別が重要となります。
外耳炎の処方薬
耳鼻科で処方される外耳炎の薬としては、リンデロンやゲンタシン、フルコート、セフゾンなどがあります。小児科でもよく処方されるリンデロンは、化膿する前の外耳炎に非常に効果が高いステロイド剤です。
ですが一度、化膿してしまうとステロイド剤は効きが悪くなり、さらに悪化させてしまうということもあります。膿をもってしまった患部にはゲンタシンが処方されることが多いでしょう。
フルコートはステロイド剤のひとつで、抗生物質のフラジオマイシンがプラスされている薬です。かゆみや痛みを緩和する効果が強く、短期間で症状を改善していきます。
セフゾンは細菌による感染症に効果が高い飲み薬で、外耳炎でもよく使われます。子ども用ではドライシロップ(細粒)を水に溶かして飲ませます。大きな子どもにはそのまま飲ませても大丈夫ですが、その際には水を多めに飲ませるようにしましょう。
外耳炎の市販薬
軽度の外耳炎のときには、手軽に使える市販薬の存在が助かります。外耳炎の治療でよく使われる市販薬としては、オイラックスA、フルコートf、ベトネベートN軟膏AS、クロマイ-P軟膏ASなどがあげられます。
これらの薬のうち、オイラックスA以外は、ステロイド剤となります。小さな子どもに使う場合は薬自体の強さや使用期間など十分注意が必要です。判断に迷うことがあるときは、耳鼻科を受診して診断をあおぐ方が安心です。
まとめ
外耳炎は適切な薬を使ってすばやく治すことが大切
外耳炎とは
外耳炎の原因
外耳炎の治療方法
外耳炎の処方薬
外耳炎の市販薬