子供の耳の病気というと、中耳炎がまず思い浮かびます。中耳炎の場合、発熱を伴う場合が多いので、すぐに病気を発見することが出来ます。しかし、中耳炎と並ぶ耳の病気である外耳炎は、発熱といった症状がないため、見過ごされてしまいがちです。
外耳炎 とは一体どのような病気なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
見過ごされやすい耳の病気・外耳炎。症状と治療方法は?
耳の構造と外耳道
耳は、音を聞く機能の他、平衡感覚を保つ重要な役割を持っており、内耳、中耳、外耳の3つの部分から構成されています。
耳の入り口から鼓膜までの間には外耳道と呼ばれる管があり、外から入ってきた音は、この外耳道を通って鼓膜まで伝達されます。外耳道には毛が生えており、耳垢が溜まる場所でもあります。
外耳炎の症状
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの外耳道が炎症を起こす病気のことです。外耳炎になると、赤ちゃんや子供は、耳をかゆがったり、痛がったりします。機嫌も悪くなり、耳を引っ張るととても痛がります。
中耳炎とは異なり、発熱はありません。症状が悪化すると、耳の入り口が真っ赤に腫れ、膿が出ます。膿に血が混ざることもあります。また、耳たぶに湿疹が出ることもあります。
外耳炎の原因
外耳炎になる原因は何でしょうか。実は、外耳炎の原因の大半は、耳掃除のやりすぎです。耳掃除をやりすぎると、外耳道を傷つけてしまい、その傷から細菌が侵入して外耳炎になってしまうのです。
また、耳に元々あった湿疹部分を爪などで掻いてしまうと、そこから細菌が侵入し、外耳炎に感染してしまいます。
他にも、お風呂やプールなどで水が耳に入ったり、シャンプーや整髪剤などが耳に入ってしまったりした場合も、外耳炎になることがあります。まれに、真菌というカビが外耳炎の原因のケースもあります。
外耳炎の治療とケア
外耳炎の治療方法は症状の程度によって異なります。外耳炎が軽症の時は、薬は使用せず、患部を触らないように心がけて、様子を見ていきます。耳鼻科で耳の中を洗浄・消毒してもらうだけで、症状が改善されることも多々あります。
すでに、外耳道がひどい炎症を起こしていて、化膿している場合には、抗生物質やステロイドの入った軟膏や点耳薬、飲み薬などが処方されます。外耳の痛みが激しい場合には、鎮痛薬を服用する場合もあります。
大抵の場合、外耳炎は1週間ほどで治りますが、原因が真菌の場合は、治りにくいのが特徴で、治療が数か月もの長期に渡ることもあります。
赤ちゃんや子供が耳を痛がっているときには、保冷剤を包んだタオルなどを耳に優しくあててあげましょう。冷やしてあげることで痛みが和らぎ、楽になります。また、外耳炎の症状がある間は、入浴の際に耳に水が入らないように注意をしましょう。
外耳炎にならないためには、日ごろから耳周辺の皮膚を清潔なティッシュやガーゼなどでふき取るなどして、清潔を保つことが大切です。耳掃除をするときには、赤ちゃん用の綿棒を使い、綿棒が外耳道の中まで入らないように気を付けましょう。
綿棒を外耳道の中まで入れてしまうと、外耳道を傷つけてしまう危険性があるだけではなく、耳垢を中へと押し込んでしまう可能性もあります。基本的に耳掃除は毎日するものではなく、週に1回ほどで十分です。
病院受診の目安
赤ちゃんや子供が耳をかゆがっていたり、しきりに耳を触ったりしている場合、また耳だれがある場合は小児科、または耳鼻科を受診しましょう。
まとめ
見過ごされやすい耳の病気・外耳炎。症状と治療方法は?
耳の構造と外耳道
外耳炎の症状
外耳炎の原因
外耳炎の治療とケア
病院受診の目安