最近は季節に関わらず、1年中色々な病気が流行る傾向にあります。その中でも、年間を通してかかりやすい病気に『 下痢 』があります。激しい 腹痛 を伴うものや、だらだらと続くものなど、対処の仕方も変わってきます。子どもがよくかかる下痢にはどのような種類のものがあるのでしょうか?
腹痛をともなう心配な下痢と、経過観察の必要な下痢
下痢の種類
子どもの『下痢』の原因や症状を大まかに分けると、4つに分類されます。薬剤性のものを入れると5つですが、これは抗生物質等の服用にともなう副作用になりますので、病気とは少し意味合いが違ってきます。
では、どの場合が『心配な下痢』になるのでしょう?4つの特徴をそれぞれ見ていきましょう。
ウイルス性の下痢
冬になる前から大流行し始めるのがこのタイプです。聞いたことのある代表的なものとして、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスは代表格ではないでしょうか?特に強い腹痛はありませんが、吐気を伴うことが多いです。便自体は水様性ですっぱい臭いがします。
2~3日で落ち着きますので、経過観察が必要になります。ただ、下痢の回数が多いので脱水症状になることがあります。『下痢だから水分をとらない』という考え方ではなく『下痢だから水分をとらないと、脱水症状になる』と理解して下さい。
このウイルス性の下痢の厄介なところは、接触感染や飛沫感染によるもので、保育園や家庭内などですぐに拡散してしまいます。そして、1度かかったから抗体ができるわけではなく、何度でもかかる可能性があります。
細菌性の下痢
病原性大腸菌O-157やサルモネラ菌、ブドウ球菌などによる感染症からなる食中毒です。この場合は強い腹痛とともに血便を伴うこともあります。発熱や嘔吐も症状として現れます。
便や血液検査から毒素(細菌)を検出することで判断しますが、すぐに判断することが難しいといわれています。対症療法になりますが、この場合はすぐに適切な治療を受けることが望ましいです。
アレルギー性の下痢
大人になっても、“牛乳を飲むとなぜが下痢になる”という人がいます。乳児の場合においては、粉ミルクや母乳から牛乳に切り替えた時に、発熱や嘔吐、腹痛などの症状はないのに何故か下痢だけが1週間以上続くなどと言った場合はこれにあたる可能性が高いです。
本格的な離乳食に入る前に、一度くわしいアレルギー検査をするとよいでしょう。
精神的ストレスからの下痢
いわゆる『おなかの弱い子』がこれに当たります。なにかがきっかけですぐに腹痛や下痢を起こす子どもがいます。大人でいうところの“過敏性腸症候群”の症状とよく似ています。
原因がはっきりは分かりませんが、大部分が心因性(ストレスなど)によるものが多いです。まずはお腹が痛いと訴えている子供を認めてあげることが大切です。
その他の原因からくる下痢
大きな原因は上にあげたものが主ですが、子どもとは良く下痢になりやすものです。お腹を出して寝ていても下痢になるし、冷たいものを取り過ぎでもすぐにお腹の調子を悪くしてしまいます。風邪のひき始めでも下痢になることがあります。
緊急性を要するもの、そうでないものの区別は、お子さんの経過観察が非常に大事になってきます。発熱・嘔吐・便の色などに気をつけるようにしましょう。
子どもの下痢というものは、どのタイミングで病院を受診するか判断がつけにくいものです。激しい腹痛が続く時や、水様性の下痢の回数が多い時は早めに受診するとよいでしょう。
下痢による子どもの体力の消費は大人以上に大きいです。脱水症状を防ぐためにこまめに水分を補給すること、しばらくはおかゆ・煮込みうどん・どうふなど、消化に良い食事にするように心がけましょう。
まとめ
腹痛をともなう心配な下痢と、経過観察の必要な下痢
下痢の種類
ウイルス性の下痢
細菌性の下痢
アレルギー性の下痢
精神的ストレスからの下痢
その他の原因からくる下痢