小さい子が「おなかが痛い」と言う時、必ずしもそれは腹痛でないことがあります。頭が痛い時や具合か悪い時も「おなかが痛い」と言うのです。お腹が痛くないときでも「お腹が痛い」ということだってあります。子どもからすれば、精一杯の自己表示、見逃すわけにはいきません。
では、その 腹痛 の 原因 は何でしょうか?
おなかがいたい!!子どもの訴える腹痛の原因とは?
身体的なものからくる、よくある原因の腹痛
便秘・ガスが原因
よくある原因の一つが、子どもの便秘からくる腹痛です。いつもは1~2日で便が出る子が3日以上出ていない、1週間以上出ていない、という時はお腹が張って痛みをともないます。下腹部を触ってみると、それらしきものの感触があります。
お腹を温め「のの字マッサージ」などをして便意を促してあげましょう。便やガスが出てしまえば、今まで痛がっていたことがウソのようにすっきりとして機嫌も良くなります。
この場合の腹痛は緊急を要するものではありませんが、便秘が慢性化することはあまりよくありません。食事(食物繊維を含むもの、水分をしっかり摂る等)生活習慣の改善(トイレに座る習慣をつける)を見直していくことが大事です。
風邪・胃腸炎が原因
風邪を引いた時の症状の一つとして、腹痛があります。夏風邪の時は下痢になったりします。熱、せき、鼻水などを伴ってないか、お子さんの体の様子をチェックしましょう。熱が上がる前に腹痛を訴えることがよくあります。
冷たい物の摂りすぎ・寝冷え
夏の暑い時期など、子どもはついついアイスクリームやジュースなどの飲み物を多くとってしまいがちになります。脱水症状を起こさない為に水分補給はもちろん必要なのですが、冷たいものの摂りすぎは腸に大きな負担を与えてしまいます。
大腸が“水分を送られても、どうすることもできませんよ”とシグナルを送ります。これが腹痛の原因になります。また、クーラーなどでの体の冷やし過ぎや寝冷えも同じような原因で腹痛をおこしやすくなります。
注意の継続が必要な腹痛、緊急を要する腹痛
腹痛の原因のなかでも、判断が難しいのが急性虫垂炎です。少し前で言うところの「盲腸」です。歩行が困難になるような激しい痛みや嘔吐、発熱などの症状が出ます。最初はお腹全体が痛むような感じから、次第に右下腹部へ痛みが移動していきます。
初期症状では「急性虫垂炎」の判断がされにくいのですが、判断が遅れると最終的には「腹膜炎」を併発してしまいます。このような症状がある場合はすぐに病院を受診しましょう。
また、早期診断・早期治療が重要となってくるものに「腸重積」があります。診断が遅れると手術になってしまいます。虫垂炎と似たような症状ですが、粘血便(ベタベタした粘液に血液がまざったもの)が少しでも出た場合はその可能性が高いです。
その他にも、脱腸やイレウスが原因の腹痛があります。
心因性からくる腹痛
子どもの腹痛の中で、便秘・ガス・風邪に次いで原因となるものです。親がなかなか子どもにかまってあげられない時や、弟や妹がうまれた時などにお子さんが「おなかが痛い」と言ってきたことはありませんか?
保育園に登園する前や、学校に登校する前に精神的なストレスが原因で、腹痛を訴えることがあります。身体的にはお腹は痛くないのだけれど、心理的なことが原因でそうなるのです。この場合、けっして仮病ではなくその症状は本物です。心が何らかのサインを出しているのです。
そのままの自分自身を見つめたり、親子でゆっくり話をしたり。「手当」という言葉はそのまま「手を当てる」ことに由来します。肌と肌との触れ合いによる安心感・落ち着きからその症状は改善されることが多々あります。
一口に「腹痛」といってもその原因は多種多様に及び、素人では緊急性の判断が難しいかもしれません。まずはお子さんの様子をしっかり観察することが大事です。
正反対のことを言うようですが、言葉の喋れない乳幼児ならば、あやしても号泣して泣きやまない場合も、ぐったりしている場合もどちらも緊急を要します。年中さんくらいまでは、お腹が痛いのか頭が痛いのか、自分ではうまく伝えられません。ゆっくり丁寧に話を聞いてあげて、腹痛の原因を見つけていきましょう。
まとめ
おなかがいたい!!子どもの訴える腹痛の原因とは?
身体的なものからくる、よくある原因の腹痛
注意の継続が必要な腹痛、緊急を要する腹痛
心因性からくる腹痛