風邪をひいて痰がからんだような咳がなかなか治らない。お子さんのこんな症状に悩まされたことはありませんか?特に小さいうちは痰をうまく出すことができないので咳がいつまでも続いてしまい、夜もなかなか眠ることができません。
もし痰がからんだような咳をしているようであれば副鼻腔炎が原因かもしれません。
副鼻腔炎 と 咳 の関連性と、その対処法を解説します。
副鼻腔炎と咳の関連性と対処法
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは鼻の上や横にある左右四対の「副鼻腔(ふくびくう)」と呼ばれる部分が風邪などのウイルスが原因で炎症を起こしている状態をいいます。鼻水、鼻づまり、頭痛、嗅覚障害などさまざまな症状が出ます。
どんな症状が起こるの?
鼻水
最初は水っぽいさらさらとした鼻水が出ますが、症状が悪化してくると副鼻腔に膿がたまり、しだいに黄色っぽく粘り気のある鼻水が出るようになります。
鼻づまり
副鼻腔の炎症によって鼻腔の粘膜が腫れたり粘り気のある鼻水が鼻腔に詰まって鼻づまり(鼻閉)が起こります。
鼻で息ができないため口で呼吸をするようになり、のどの痛みを併発することもあります。慢性副鼻腔炎では腫れた粘膜の一部が鼻茸(ポリープ)になることもあり、これも鼻づまりを悪化させる原因となります。
頭痛・顔面痛
急性副鼻腔炎では目のあたりや額、頬などに痛みが現れることがよくあります。これは副鼻腔が鼻の周辺にあるためで、炎症を起こしている箇所によって痛む場所が異なります。慢性副鼻腔炎では頭痛や顔面痛よりも倦怠感や集中力不足などの症状がみられます。
嗅覚障害
鼻の粘膜の炎症、腫れなどによって気流通気障害が起き、におい分子が嗅上皮まで到達しないためにおいが分からなくなることがあります。
咳との関連性
副鼻腔炎を発症すると鼻水の量が増え、通常は鼻孔から出る鼻水がのどの方に流れるようになります。これを「後鼻漏(こうびろう)」と呼びます。副鼻腔炎の時の鼻水は粘り気があるため喉の奥にべたっとくっつき、その痰を排出しようとして咳が出るようになります。
特に夜寝ている時は鼻水がどんどん喉の奥に溜まってしまうため、起床時にそれを吐き出そうと痰のからんだ深い咳が増えてしまいます。特に小さいお子さんは痰を自分で出すことができないため、咳の出る期間が長くなってしまいます。
副鼻腔炎の対処法は?
咳が出ているからといって自己判断で咳止めの薬を飲んで抑え込むのは良くありません。後鼻漏が原因の咳はそのもととなる副鼻腔炎を治す必要があります。ウイルスを排除して炎症を抑える抗生物質や痰を切って出しやすくする薬、鼻水の粘り気を抑える薬などを服用して治療を行います。
副鼻腔の炎症がおさまって膿がなくなり、鼻水が通常通り鼻から出せるようになると後鼻漏の量が少なくなってきます。そうすると自然と咳もおさまっていきます。副鼻腔炎の症状が2、3か月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されるようになります。
慢性副鼻腔炎になると完治するまでに長期間かかるようになるため、その前に早めに耳鼻咽喉科や小児科を受診するようにしましょう。
鼻をすする癖のあるお子さんには鼻をかむように教え、鼻水をできるだけ外に出すように注意しましょう。
鼻を上手にかめない小さなお子さんや、頻繁に耳鼻科に連れていくことが難しい方には、ご家庭で使用できる電動式の鼻水吸引機もお勧めです。就寝前や起床後、日中に数回吸引機で鼻水をしっかり吸ってあげると、喉に流れ込む鼻水を少し抑えることができます。
副鼻腔炎は、風邪や花粉症などの鼻水の症状、頭痛・長引く咳のあるときには一度検査した方がいいかもしれません。小児科だけではなく耳鼻咽喉科のかかりつけ医をつくっておくのも原因究明に役立つでしょう。
まとめ
副鼻腔炎と咳の関連性と対処法
副鼻腔炎とは
どんな症状が起こるの?
咳との関連性
副鼻腔炎の対処法は?