子供はよく風邪をひくものです。風邪症状の咳が長引いているうちに、痰がからんだような咳が止まらなくなるようなことがあります。このような症状の原因に副鼻腔炎が潜んでいる場合があると言います。
副鼻腔炎 で 咳 が出るメカニズムをご紹介いたします。
鼻の病気「副鼻腔炎」で咳が出るのはこのようなメカニズム
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは鼻の周りの骨にある副鼻腔という空洞部分の粘膜に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。鼻づまり・鼻水・咳・頭痛などさまざまな症状があらわれます。
急性副鼻腔炎は細菌やウイルス感染で急性に炎症が起こるもので、頭痛や顔面痛などの症状が出ることがよく知られています。通常は1~2週間程度で治ります。
急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりして、3ヶ月以上症状が続く場合、慢性副鼻腔炎と呼ばれるようになります。副鼻腔の膿や鼻水の量が増え、粘性が高くなることで、さらに炎症を悪化させるという悪循環に陥ってしまう場合があります。
副鼻腔炎で咳が出るメカニズム
副鼻腔炎を発症すると最初はサラサラとした鼻水が出ますが、炎症が進んで副鼻腔に膿がたまってくると黄色っぽく粘り気のある鼻水に変化します。このような鼻水が喉の奥の方に流れるようになることを後鼻漏(こうびろう)と言い、副鼻腔炎ではよくみられる症状です。
この後鼻漏が刺激となって痰のからまったような咳が止まらなくなることがあるのです。
健康な状態でも人間は1日に2~6リットルもの鼻水を作っていると言われています。そのうちのおおよそ3割程度の鼻水は鼻から喉に流れ込み、知らず知らずのうちに飲み込んでいるのです。
つまり、後鼻漏自体は病気ではなく、健康な時もある生理的な現象です。副鼻腔炎になると、鼻水の量が増えて後鼻漏の量も増えます。
さらに上述したように、炎症が進んで鼻水が粘り気をもつようになると、喉に付着するようになります。咳は喉に付着した粘り気のある鼻水を排出しようとするために起こるのです。
構造的に鼻水は横になった状態のときに喉に流れやすいので、睡眠中には鼻水がどんどん溜まっていきます。起床直後に痰のからんだような咳がつづくような場合には副鼻腔炎による後鼻漏が原因になっている可能性が考えられます。
副鼻腔炎での咳の対処法
咳の原因が副鼻腔炎での後鼻漏にある場合、安易に咳止め薬を用いてしまうと、本来排出すべきものを排出できなくなってしまうおそれがあります。また、根本的な原因に働きかけていないので、いつまでも咳が続くというようなことも考えられます。
子供はよく風邪をひくものです。中には風邪をひく度に中耳炎になったり、副鼻腔炎になったりするお子さんもあることでしょう。幼い子供には、小児科医とともに耳鼻科医のかかりつけ医もある方が安心です。
風邪をひいた後に鼻水や鼻づまりが続いている場合はそのまま放置しないで耳鼻科を受診するようにした方が賢明です。鼻水や鼻づまりだけでなく、頭痛や頭重感、顔面痛なども副鼻腔炎のサインである場合があります。
耳鼻科では鼻の洗浄をして膿や鼻水を洗い流し、鼻水の粘りを解消する薬や副鼻腔の粘膜を正常化する薬などを処方してくれます。
炎症がひどい場合には抗菌剤が処方される場合もあります。鼻通りがよくなって鼻から鼻水が排出できるようになると、後鼻漏の量も減少して咳も治まっていきます。
副鼻腔炎を防ぐために
自分で鼻のかめない時期は家庭でこまめに吸い取るようにしてください。家庭で難しいようであれば、耳鼻科に相談してもよいでしょう。
自分で噛めるようになったら、静かにそっと、片方ずつかむことを繰り返し指導してください。勢いよく鼻をかむと、鼻の細菌が耳管から中耳に感染するようなこともあります。
幼い子供はどうしてもうまく鼻が噛めないことが多いので、鼻をすするようなことがあります。また、痰のからむような咳や鼻づまりのためのいびきなど副鼻腔炎のサインを見落とさないように注意してください。
まとめ
鼻の病気「副鼻腔炎」で咳が出るのはこのようなメカニズム
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎で咳が出るメカニズム
副鼻腔炎での咳の対処法
副鼻腔炎を防ぐために