季節の変わり目になると副鼻腔炎の症状がでる人・風邪を引くとすぐ鼻症状が辛くなる人が多くなります。 副鼻腔炎 になると出される 薬 にはどのような効果があるのでしょう?抗菌薬を出してくれる医師と出してくれない医師がいますがその理由は何でしょう?
副鼻腔炎と薬。治療薬に抗菌薬は必要?
副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)とは
副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)の症状とは「急性に発症し、発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症で、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽といった呼吸器症状を呈し、頭痛、頬部痛、顔面圧迫感などを伴う疾患」と日本鼻科学会の診療ガイドラインに定義されております。
また「急性の時間」には明確な定義はされていませんが「4週間を超えない」と言われております。慢性副鼻腔炎の急性憎悪による副鼻腔炎とは病態が異なるので治療方法が異なる場合があります。
抗菌薬が使用される場合と使用されない場合の違いは
副鼻腔炎の症状が辛く受診しても、抗菌薬がでない場合があります。その理由は、急性副鼻腔炎は発生当初はウイルス感染が主体であり、軽症に限っては抗菌薬の効果は期待できません。自然経過での症状の悪化があり、中等症や重症に移行すれば抗菌薬治療が開始されます。
抗菌薬の過剰投与は耐性菌が増加すると言われており問題とされております。抗菌薬投与・非投与を適切に判断することが重要です。現在は急性副鼻腔炎において最初はウイルス感染から発症が多い為、抗菌薬は不要と考えられております。
小児の治療の流れと治療薬(軽症・中等症)
軽症の場合は抗菌薬を使わず5日間ほど様子をみます。改善した場合はそのまま経過観察しますが、改善がみられない場合は、サワシリンやワイドシリン等の抗菌薬を通常5日間服用します。その後改善した場合は経過観察となります。
また、改善がみられない場合は、先ほど使用したサワシリンやワイドシリン等を高用量に変えて5日間継続又は、メイアクトやフロモックス・トミロン等の違う抗菌薬を高用量で5日間服用して様子をみます。
中等症の場合は最初からサワシリンやワイドシリン等の抗菌薬を服用します。改善が見られる場合は更に5日間継続して様子をみます。
また、改善がみられない場合は薬剤耐性(耐性菌の状況を考えて)サワシリンやワイドシリン又は、メイアクトやフロモックス・トミロン等の抗菌薬を高用量で5日間服用して様子をみます。
改善がみられない場合であってもこのまま様子をみる場合もありますが、薬剤耐性を加味しながら違う種類の抗菌薬(オラペネム等)を使用して様子をみる場合もあります。
成人の治療の流れと治療薬(軽症・中等症)
軽症の場合は抗菌薬を使わず5日間ほど様子をみます。改善した場合はそのまま経過観察しますが、改善がみられない場合は、サワシリンやワイドシリン、又はメイアクトやフロモックス・トミロン等の抗菌薬を常用量で5日間継続して様子をみます。
その後改善した場合は経過観察となりますが、改善がみられない場合は薬剤耐性(耐性菌の状況を考えて)先ほどと同じ抗菌薬を高用量で5日間継続する。もしくは、クラビット・ジェニナックやジスロマック等異なる抗菌薬に変えて5日間継続します。
中等症の場合は最初からサワシリンやワイドシリン等の抗菌薬を服用します。改善がみられる場合は更に5日間を上限として服用を継続します。
その後、改善がみられない場合は薬剤耐性(耐性菌の状況を考えて)同じ薬を高用量で5日間継続します。もしくは、メイアクトやフロモックス・トミロン等を高用量で5日間継続するか、クラビット・ジェニナックやジスロマック等異なる抗菌薬を常用量で服用し様子をみます。
この治療でも改善がみられない場合は抗菌薬の組み合わせを変更するか病院で点滴をして様子をみることとなります。
まとめ
副鼻腔炎と薬。治療薬に抗菌薬は必要?
副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)とは
抗菌薬が使用される場合と使用されない場合の違いは
小児の治療の流れと治療薬(軽症・中等症)
成人の治療の流れと治療薬(軽症・中等症)