出っ歯は重度になると人の表情まで変えてしまうほど印象深いこともあります。子供のころからその傾向がみられる場合「生え揃うまでに治るでしょう」と放置するのではなく、 治す ことを検討して専門医師に相談することが理想のようです。
今回は 出っ歯 の治療を紹介します。
出っ歯って治すべき?それともそのままでも大丈夫?(前編)
出っ歯とは?
通称出っ歯と言われている状態は正式には上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。一言で出っ歯と言ってもさまざまなタイプがあります。
前歯だけが突き出た状態のもの、上あごの骨格自体が前の方に出ている状態のもの、下の前歯が喉側に傾いている状態のもの、上の前歯が前方に斜めに傾いている状態のものなどです。
原因によって、出っ歯の出方はさまざまです。出っ歯が原因で口が閉じられない子も多く、放置しておくと慢性的な口の渇きからばい菌が発生、繁殖しやすい環境づくりをしてしまうため虫歯や歯周病になりやすくなります。
口が空きっぱなしである口呼吸が慢性化すると、口から細菌を吸収しやすくしてしまうため、さまざまな感染症にもかかりやすくなってしまいます。
また将来的に顎関節症を引き起こす原因にもなります。出っ歯は軽度であれば可愛らしくも見え、特に気にしない親も多いかもしれませんが、放置しておくことで体へのリスクを多くしてしまうということを考え、できれば治す方向で検討することをお勧めします。
出っ歯の原因は?
出っ歯の原因は大きく分けて2つあると考えられています。
1つ目は遺伝などの先天的なものです。歯も遺伝の一つと言われています。親が出っ歯の場合、必ずしも子供が出っ歯になるとは限りませんが、なる可能性は高いと言われています。
また親が出っ歯でなくても、祖父母の代で出っ歯の人がいた場合も遺伝として受け継がれる可能性もあります。
しかしもし遺伝的なものが心配な場合は、幼いころから虫歯にならずとも頻繁に歯医者に通うことで事前に出っ歯予防をすることができることにも結び付きますので、デメリットだけを考えなくてもよいのではないでしょうか。
2つ目は悪い習慣など後天的なものです。もっとも大きな原因として考えられるものが、本人ではなく親がやってしまう習慣であるおしゃぶりです。おしゃぶりは一時的に赤ちゃんが泣くのを止めさせたり、寝付かせたりするためにはとても助かるアイテムです。
しかしおしゃぶりは出っ歯だけでなく、乳歯が生える際に邪魔をしてしまい歯並びにも影響してしまいます。おしゃぶりもグッズではなく指しゃぶりの場合は、親指で前歯の裏側を押すような状態を続けることになってしまうため、ほぼ確実に出っ歯になる可能性があります。
赤ちゃん自身がきちんとおしゃぶりを認識して欲するようになるとなかなか止めづらくなりますので、歯が生え始める生後6ヶ月ころを目安に徐々に止めるようにしていきましょう。
また頬づえをつくことも出っ歯になりやすくなる原因として考えられています。頬づえが習慣化すると、手のひらに乗せる下あごの骨格が歪んできて出っ歯を招きやすくなるのです。
そして食生活にも出っ歯の原因が隠されています。幼いころから柔らかいものばかり好んで食べているとあごの骨格が狭くなり、生え揃うべき本数の歯が生えるスペースがないために前歯が押し出されて出っ歯を招いてしまうのです。
日ごろから硬めなお煎餅やスルメなどを食べさせることで咀嚼回数も増え、あごの発達には十分役立つようになります。出っ歯は治すことも重要ですが、ならない状況を作ることもとても重要になります。特に悪習慣からなる場合は、親の十分な配慮が重要といえます。
まとめ
出っ歯って治すべき?それともそのままでも大丈夫?(前編)
出っ歯とは?
出っ歯の原因は?