子供の 出っ歯 はただ見た目が悪いだけではなく、発音障害や咀嚼できないことによる胃腸障害、顎関節症なども引き起こします。親は子供の出っ歯のタイプを知って、適切な治療を施してあげる大切な役割を担っていると言えます。
子供の出っ歯は成長に悪影響を及ぼすことがある
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出っ歯による悪影響とは
子供の出っ歯は見た目の悪さだけではなく、健やかな成長を妨げる要因となる悪影響が発生することを親はしっかりと認識しておかなければなりません。
前歯で上手に咬み切ることができないので、よく噛まず飲みこんでしまい胃腸に大きな負担がかかることがあります。前歯で咬み切る際に、あごをずらして咬んでしまい、顎関節症を発症しやすくなります。また、口を開けがちになってしまうので口の中が乾燥して、歯周病を発症しやすくなります。
きちんと口を開閉することができず、息が漏れがちになり、発声しづらい音が出来てしまいます。滑舌が悪く聞こえたり、発音自体がおかしく聞こえたりします。
上あごが前に出るタイプの出っ歯
上あごそのものが前に出ているタイプの出っ歯は、遺伝的要素が強く、矯正には時間がかかると言われています。
一般的に上あごは下あごよりも先に成長がみられます。著しく上あごが前に出てしまっている場合は、上あごの成長を抑止する装置を早期に装着しはじめることで効果がみられることもあります。
上の前歯の位置が前方に出ているタイプの出っ歯
上の前歯の位置が前方に出ているタイプの出っ歯は、生まれつき、上の前歯の永久歯の位置がずれていることもありますが、多くは後天的に歯に良くない癖を習慣的に行っていることによって発生します。
頬杖や横向き寝などによって横方向からの力が継続的に加わると、前歯だけが押し出されて前方に出てしまいます。
このタイプの出っ歯は矯正後にも再び悪い習慣のせいで、前歯が出てきてしまうことがあります。自分では気づかないうちに頬杖をついたり、横向き寝をしてしまったりするので、矯正には周囲の協力が必要となります。
上の前歯が前方に傾いているタイプの出っ歯
上の前歯が前方に傾いているタイプの出っ歯は、主に指しゃぶりや口呼吸の子供に多くみられます。子供の様子をよく観察して、口の周りの筋肉が弱いために口を開けてしまっている場合は、MFTと呼ばれる口腔筋機能療法を行い、口周りの筋肉を整えていきます。
原因となる指しゃぶりや口呼吸をさせないように注意して、MFTが良好に進んでいくようであれば比較的短期間の矯正で治ることもあります。
口の周りの筋肉が弱いとあごの成長にも影響が出ます。子供が口を開けがちになっている時は早めに歯科医院で口の筋機能のチェックをしてみると良いでしょう。
下あごが後ろに下がっているタイプの出っ歯
口の周りの筋肉や、舌の筋肉が弱いと下あご自体が後ろに下がってしまい出っ歯になることがあります。矯正用の装置を使って、下あごを適切な位置に誘導します。口の周りの筋肉を鍛えることで、舌の位置も正しい位置に持っていくことができるようになります。
咬合誘導で将来の歯を残す
子供の出っ歯の矯正については、歯科医院によっても、医師によっても考え方が大きく異なります。歯を抜くことによって、簡単に位置をずらしてしまう矯正方法もあります。
ですが将来、健康な永久歯を一本でも多く残しておくために、まずは咬合誘導を行い、抜歯のリスクを減らすという選択もできます。
咬合誘導とは上下のあごの成長をコントロールし、正しい位置に永久歯が生えてくるように誘導することです。咬合誘導を行うことで、永久歯の矯正が必要になったとしても抜歯をせずに矯正を行うことができる確率がぐっと上がります。
親は子供たちの大切な歯の将来を決める役割を持っていると言えます。歯科医師とはよく話し合い、矯正方針に納得できない場合は歯科医院を変える勇気も必要です。
まとめ
子供の出っ歯は成長に悪影響を及ぼすことがある
出っ歯による悪影響とは
上あごが前に出るタイプの出っ歯
上の前歯の位置が前方に出ているタイプの出っ歯
上の前歯が前方に傾いているタイプの出っ歯
下あごが後ろに下がっているタイプの出っ歯
咬合誘導で将来の歯を残す