先天的な染色体異常が原因のダウン症については羊水検査などの出生前診断に関しても話題になることが多いものです。妊婦検診で行われるエコー画像にもダウン症の特徴があらわれることがあると言います。
ダウン症 の エコー 画像についてご紹介いたします。
ダウン症はエコー画像からもわかりますか?
ダウン症とは
正式には「ダウン症候群」と呼ばれるダウン症は21番目の染色体が対ではなく3本であるために起こる先天的な疾患です。
染色体異常が原因で起こる疾患のうちで最も多いのがダウン症で、700~1,000人に1人の割合で出生すると言われています。
知的発達の遅れや丸くて起伏に乏しい顔・吊り上がった目・耳が小さいなど特有の顔つきが典型的な特徴です。
難聴や遠視・近視などの視力障害などの合併症をもつ場合もあります。また、風邪をひきやすい・心臓に問題があるなどのように身体が弱い場合もあるようです。
非常に個人差が大きいのが特色で、非常に重い合併症がある場合から、ほとんど合併症がない場合まで千差万別です。
ダウン症のエコー画像
昨今、妊婦検診で使われることの多い3Dのエコーではお腹の上から当てられたプローブによって超音波が幾筋にも反射します。そのため、2Dで見た場合より立体的で、胎内の赤ちゃんの仕草や表情まではっきりと見ることができます。
また、4Dのエコーでは赤ちゃんの動きを確認することもできると言います。
頭の大きさに比べて極端に手足が短い場合、四肢短縮という染色体異常で起こるダウン症の症状である可能性があります。ただし、子宮壁に手足が当たっているような場合にも手足が短く見えるようなことがありますので、経過を見る必要があります。
首の周辺の膨らみや腫瘍はダウン症の特徴であることが多いと言われています。赤ちゃんの心臓に合併症があって、リンパ液がうまく循環せずに首の周辺に溜まってしまう場合や、脳の形成に遅れがある場合の可能性が考えられます。
ダウン症児は後頭部が浮腫んでいますが、胎児の頃からその特色があります。NT(Nuchal Translucencyの略)と表記される数値が高いまま継続したり、だんだん大きくなることでダウン症の可能性を考える場合があります。
BPD(Biparietal Diameterの略)とFOD(Front Occipital Diameterの略)は頭の大きさを測る数値ですが、これらの数値が異常に大きいこともダウン症を疑う要因となります。
エコー検査では心臓の動きをみることもありますが、ダウン症児にみられる先天的な心臓の欠陥である心臓の壁に穴が空いている状態が映ることもあるようです。
上述のようなダウン症の可能性のあるエコー画像は、100%確実なものではありません。胎内でさまざまな姿勢をとる胎児を映し出しているので、正確に計測できない側面があるのです。したがって、エコー画像だけでダウン症の診断が下るということはありません。
ダウン症の検査方法
母体血清マーカーテスト
母体の血液中のホルモンやたんぱく質を調べる検査で、胎内の赤ちゃんの染色体異常の有無を調べる検査です。妊娠15~21週で受けることができます。少量の血液を採取するものですから、母体へのリスクはありません。
羊水検査
長い注射針をお腹から子宮に刺して羊水を採取する検査です。羊水中の胎児の細胞を直接検査しますので、99%以上の確実性があるとされています。
妊娠15~18週に受けることができますが、0.3パーセントの流産を引き起こす可能性があると言われています。ダウン症の出生前確定診断にはこの方法が用いられます。
絨毛検査
羊水検査と同様にお腹から子宮に長い注射針を刺して、胎盤になる前の絨毛という組織を検査するものです。妊娠9~14週に検査することができますが、羊水検査と同じように流産を引き起こす可能性があります。
新出生前診断
保険適応外にはなりますが、妊娠10~18週の母体の血液を採取することで胎児の染色体異常の有無を調べる方法もあります。
ダウン症の出生前の確定診断には、エコー画像に加えてこれらの検査を受けることになります。
まとめ
ダウン症はエコー画像からもわかりますか?
ダウン症とは
ダウン症のエコー画像
ダウン症の検査方法