慢性的な大腸炎としてよく知られている潰瘍性大腸炎は10代の子供に多くみられるものですが、昨今では幼い子供にもみられるようになってきました。子供の 大腸炎 は本人にとってつらい 症状 が多いと言います。
潰瘍性大腸炎の症状について保護者のサポート方法も含めてご紹介いたします。
子供に急増する潰瘍性大腸炎の症状とは
潰瘍性大腸炎とは
1970年代から大人にも子供にも増加傾向にある病気です。子供の場合、最も多く発症するのは10代ですが、乳幼児に発症することもあります。
難治性の慢性炎症性腸疾患のひとつで、厚生労働省から特定疾患(難病)に指定されています。
現在のところ、はっきりとした原因は特定されていませんが、アレルギーやウイルス感染、遺伝的要素も関連していると考えられています。
胃や小腸では細菌はほとんどが消化・殺菌されてしまいますが、大腸には膨大な数の細菌が存在しています。その上、大腸には消化された食物の残りや有害な代謝物質が存在するために、さまざまな免疫反応が働いて大腸の粘膜を守っています。
この病気の原因は上述のアレルギーやウイルス感染のような環境因子と遺伝的因子を背景に、腸内細菌や食物などの腸内代謝物質がかかわっている病的な免疫反応だと考えられています。
大腸の粘膜の炎症は内面の表層部分のびらんや潰瘍という形をとり、直腸からはじまり、徐々に口側に広がっていきます。子供は全大腸がおかされることが多いために重症になりやすいと言われています。
潰瘍性大腸炎の症状とは
大腸の粘膜に炎症が起こりますので、下痢・腹痛・血便が主な症状になります。症状が長引くと、体重の減少や栄養障害を引き起こします。
稀に合併症として、関節炎・虹彩炎・膵炎・尿路結石・結節性紅斑・壊疽性膿皮症・原発性硬化性胆管炎などがみられると言います。
確定診断までに時間がかかってしまったり、治療経過が長引いたりした場合、成長障害をきたしてしまうことがあります。
成長障害には治療に用いられるステロイドホルモンの影響もあると言われていますが、栄養療法や免疫調節剤の併用、白血球除去療法などを施すことによって、成長を妨げないような治療がなされるようになってきています。
潰瘍性大腸炎の下痢便は粘結性であることが特徴的です。
食欲不振で疲れやすく、だるさを訴えることも多いと言われています。この病気が10代の子供に多くみられることから、思春期独特の症状として見逃されることもあるようですが、やる気のなさがこのような病気に起因している場合もあることを保護者は心にとめておくとよいかもしれません。
潰瘍性大腸炎の子供のサポート
上述のようにこの病気は難治性で再燃しやすいものです。治療が長引くだけでなく、成長期に病気で十分な栄養がとれない上に、治療で成長障害をきたす薬剤を使用しなければならないということもあります。
子供にとって成長すべき時に成長できないということは、その後の人生にかかわる大きな問題であると言えるでしょう。
また、下痢が続くことから、学校生活の上でも子供の大きな負担になることも考えられます。保護者は学校関係者とうまく連携をとって子供の病気と向き合う必要があります。
子供が潰瘍性大腸炎を発症した場合、病変が広範囲に広がり、重症化することが多いと言われています。治療は長引くかもしれませんが、今日では上述のように成長障害にも配慮したさまざまな治療法が開発され、治療成績もよくなってきています。
まず、保護者が気持ちを落ち着けて、お子さんとともに病気と向き合う姿勢をもってください。
「病気にまけるな」と無理をさせることも「病気だから」と甘やかすこともしないで、お子さんを常に励まして、大切な食事の面などでしっかりサポートしてください。
各地に患者の会が結成されていますので、保護者自身のストレスをため込まないためにも参加してみるとよいかもしれません。
まとめ
子供に急増する潰瘍性大腸炎の症状とは
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎の症状とは
潰瘍性大腸炎の子供のサポート