乳幼児はお座りや寝返り、一人歩きなど成長の節々で予想外の事故から 打撲 することが頻繁にあります。炎症や内出血がある場合には応急処置として冷却することが必要です。
この際、副作用や子どもには使用禁止の成分が含まれていることもある上、使えない部位もあることから、安易に市販の 湿布 を使用することは禁物です。
子どもの打撲に湿布は禁物?
RICE療法
頻繁に起こる可能性の高い打撲には、応急処置としてRICE療法が有効です。RICEとは、REST、ICE、COMPRESSION、ELEVATIONの略で、安静、冷却、圧迫、上にあげることを意味します。
打撲の場合、患部を安静に保つために、包帯や添え木で固定します。もし痛みや炎症がある場合、冷却しますが、方法としては氷嚢や冷却パックなどが効果的です。この際冷やし過ぎに注意しましょう。15分~20分を目安に冷やします。
また、内出血や腫れを防ぐために伸縮性のある包帯などで患部を適度に圧迫します。患部は基本的に心臓より高い位置にあげた状態を保ちます。これにより内出血や痛みが軽減されます。
病院での受診の必要性
打撲は手足の軽傷を除いて、基本的には病院を受診した方がいいでしょう。特に、頭部や胸部、腹部の打撲は、患部内部の器官にダメージを受けている可能性があり、部位によっては他の障害を引き起こす恐れもあります。
幼い乳幼児の場合、頭が身体に対して大きいことから頭部を打撲することがよくあります。大人に比べるとまだ柔らかいことから、衝撃に強く、骨折や内出血を起こしにくい状態にはありますが、油断は禁物です。
頭部を捻挫した際の経過観察が重要です。意識障害や痙攣、嘔吐など普段と違う症状がある場合は、深刻な状態に至る危険性があります。すぐに脳外科などの専門医を受診しましょう。
湿布の危険性
15歳以下の小児の場合、NSAIDsの配合された湿布を使用することにより、ライ症候群と言われる疾患を引き起こす危険性があります。このライ症候群とは急性脳症や肝機能障害といった病気の引き金になります。
重症な場合は脳障害の後遺症が残ることがあり、最悪な場合、死に至るケースもあります。また、喘息を持っている子どもが使うことで、喘息の発作を引き起こす恐れがあります。
このように、患部に炎症や痛みがある場合、安易に湿布に頼ることは危険を伴います。子どもの打撲には冷却するなら氷嚢や冷えピタなどの冷却パックが最適です。また、それでも症状が引かない場合は、専門医を受診することが最良の方法と言えるでしょう。
慢性期の対処法
打撲して直ぐの患部に炎症があり、内出血や熱感、浮腫などがある状態を急性期と呼び、打撲後の2~3日を指します。
それ以降を慢性期と呼び、この期間は、患部の筋肉が硬直することから血管が圧迫されることで血行不良が起こります。この血管不良により、酸素や栄養が患部に上手く行き届かないことから回復が遅れる、鈍痛が残りやすいなどの症状が出るのです。
ここでも温める手段として湿布はお勧めできません。温湿布と言わる湿布の場合、トウガラシエキスやカプサイシンにより患部の血流を良くすることで温かく感じるため、本当の意味で温めている訳ではありません。
また、これらの成分によりかぶれなどのアレルギーを引き起こす可能性もあります。子どもの場合、成分により安易に湿布剤を使えないため、温める手段としては入浴やマッサージが効果的でしょう。
打撲によく効く民間療法
昔から知られている打撲の応急処置に砂糖水があります。砂糖には熱を奪い、患部の浮腫や炎症を抑える効果がありたす。さらに、固くなった細胞を柔らかくし、痛みを和らげ、血行を促進します。
やり方は水でペースト状にした砂糖水を患部に塗るだけという簡単な方法です。この他にも、よく知られている民間療法として、ゴマ油には患部の浮腫を取り除く作用があります。
最近では、里芋湿布という方法もあり重宝されています。方法は摩り下ろした里芋に同量の小麦粉と1割程度のしょうがと塩、ゴマ油を少々加えたものを練り、患部に付けます。
砂糖水よりは少し手間がかかりますが、この里芋湿布には打撲以外にも捻挫や火傷にも効果があり、患部の炎症が治ります。デリケートな乳幼児には、このような民間療法があることを知っておくといざという時に安心して対処できるかもしれませんね。
まとめ
子どもの打撲に湿布は禁物?
RICE療法
病院での受診の必要性
湿布の危険性
慢性期の対処法
打撲によく効く民間療法