ついさっきまで元気だった赤ちゃんが急に火が付いたように泣き出して、それを間隔をあけて繰り返す場合は要注意です。もしかしたら、 腸重積 かもしれません。
大至急病院へ行くことが必要となる腸重積ですが、一体どのような病気なのでしょうか。そしてどのように治療をするのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
赤ちゃんが大泣きを繰り返したら要注意!腸重積かもしれません
腸重積になるとどうなるの?
腸重積は3~9か月ごろの赤ちゃんがかかりやすく、女の子に比べて男の子に多く見られる病気です。腸重積になると、元気に遊んでいた赤ちゃんが突然火が付いたように大声で泣き始めます。
そして、10~20分ほど激しく泣いた後に、ピタッと泣き止みます。しかし、泣き止んだ後10~30分ほどすると、また激しく泣きはじめます。このような発作を、10~30分の間隔をあけて何度も繰り返します。
赤ちゃんが泣くのは、激しい腹痛のためで、時には顔色が青白くなり、嘔吐をすることもあります。腸重積の発作と発作の間にぐったりとして無気力になってしまうこともあります。
また、発熱を伴ったり、イチゴジャムやトマトケチャップのような、粘り気のあるドロリとした血便をしたりすることもあります。これは粘血便(ねんけつべん)と呼ばれる血便です。この血便は病院で浣腸をした後に出ることもあります。
腸重積はどうして起こるの?
腸重積とは、腸の中に腸の一部がもぐり込んで詰まってしまう病気ですが、どうしてそのようなことが起きるのか、その原因は詳しくはわかっていません。
しかし、ウィルスに感染して風邪をひいたり、下痢をしたときなどに、腸管の壁にあるリンパ節が腫れて正常に働かなくなり、その結果として腸の一部が腸の中にもぐり込んでしまうのではないか、と考えられています。
腸の中に腸の一部がもぐり込んでしまうと、もぐり込んだ腸の一部は締め付けられて閉塞してしまい、血液が流れなくなってしまいます。その状態が3時間以上続くと、血液が流れなくなった腸の一部は壊死してしまいます。
腸の一部が壊死してまうと、そこに小さな穴が開いてしまいます。そうすると、細菌が腹腔へ入り込んでしまい、腹膜炎といった感染症にかかる危険があります。
腸重積はどうやって治療するの?
赤ちゃんが突然大泣きする発作を繰り返し、腸重積が疑われる場合は、大至急病院を受診することが大切です。病院では、超音波検査をして腸重積かどうかを判断します。超音波検査の結果、腸重積と診断された場合は、もぐり込んだ腸の一部を元に戻す治療が行われます。
腸重積を発病して24時間以内の場合、薄い浣腸剤を使用する他、空気を肛門から直腸に送り込む空気注腸をすることにより、もぐり込んだ腸の一部を元に戻すことができます。
潜り込んだ腸の一部が無事に元に戻ったかどうかはレントゲンで確認することができ、無事に元に戻っている場合には、1日病院で様子を見て、再び腸がもぐり込んでいなければ退院できます。
腸重積を発病して24時間以上経過している場合には、もぐり込んだ腸の一部が壊死している可能性があるので、まずは腸の状態を調べます。
腸の一部が壊死している場合には、その部分を切除する手術が必要となります。手術では壊死している患部を切り取り、壊死していない健康な腸と腸をつなぎ合わせます。
病院で腸重積の治療を行った後、家庭では、赤ちゃんの様子をよく見てあげることが大切です。腸重積は再発しやすく、手術をしない治療を行った場合、約5~10%の赤ちゃんが腸重積を再発しているというデータがあります。
また、腸重積を繰り返す場合には、腸にポリープなどができているケースもあるので、病院でしっかりとした検査を受けることが必要です。
まとめ
赤ちゃんが大泣きを繰り返したら要注意!腸重積かもしれません
腸重積になるとどうなるの?
腸重積はどうして起こるの?
腸重積はどうやって治療するの?