イレウスとも呼ばれる腸閉塞は腸の一部が狭くなって腸が詰まってしまう病気です。便が排出できなくなって腸に老廃物や毒素が溜まってしまう腸閉塞は意外にも子供にも多いと言います。
初期のサインを見逃さないように 腸閉塞 の 初期 症状 をご紹介いたします。
生命にかかわることもある腸閉塞の初期症状とは
生後すぐの腸閉塞
腸閉塞とは何らかの原因で腸管の通過が障害された状態で、さまざまな原因で起こることが知られています。生後すぐに腸閉塞を起こす疾患には腸管の内腔がつながっていなかったり、狭くなっている機械的閉塞と腸がうまく動かないために起こる機能的閉塞があります。
機械的腸閉塞には先天的に食道や十二指腸、小腸などが閉鎖・狭窄しているものや直腸・肛門の形成異常などの疾患があります。
また、機能的腸閉塞には、その典型としてヒルシュスプルング病に代表される大腸運動機能異常があります。ヒルシュスプルング病は先天的に大腸や小腸の細胞に異常が起きて、便が肛門へ移動しないことで大腸が拡張してしまう疾患です。
その他にも、低体重出生児や敗血症、甲状腺機能低下症、周産期胎児循環異常などという全身性の疾患でも腸閉塞を起こすことがあります。
先天的な腸閉塞は出生前に診断されていることが多く、初期症状としては、腹部の腫れ・繰り返すおう吐・腹痛・下血などがみられます。
生直後以降の腸閉塞
生後しばらくしてから起こる腸閉塞は月齢によって発症する疾患が違うことが特徴的だと言います。
壊死性腸炎は低体重出生児がミルクを開始してしばらくして発症し、肥厚性幽門狭窄症は生後1か月前後、腸重積は生後6か月~2歳頃の季節の変わり目に発症しやすいと言います。
小児の腸閉塞の主症状はおう吐ですが、腸閉塞以外の疾患でもおう吐をするものが多いので、区別をつけることが難しいという側面があります。
たとえば、胃と食道の逆流防止機能が不完全な胃食道逆流症やミルクアレルギー症などが識別を困難にさせているものとしてあげられます。
症状による腸閉塞の分類と初期症状
腸閉塞は何らかの原因で腸内の内容物が肛門に運ばれないために排泄できない閉塞性腸閉塞と腸自体がねじれて強く閉まってしまい血流障害をおこす絞扼性腸閉塞にその症状から分類することができます。
初期症状は腹部の膨らみと激しい腹痛とおう吐です。腹痛は激しく痛み続ける場合と強い痛みと痛みが和らぐことを繰り返す場合があります。強い痛みと痛みの和らぎを繰り返すことを疝痛発作といい、腸閉塞の特徴的な腹痛の症状であると言われています。
上述のように小児にはおう吐を伴う疾患が多いものですが、腸閉塞のおう吐物は初期には白色または透明の酸っぱい液か黄色で苦い胆汁です。
進行していくと、小腸や大腸の内容物が逆流してきますので、下痢のような色で便臭がするようになります。おう吐すると一時的に腹痛や吐き気が治まるようなこともあります。
絞扼性腸閉塞では腸がねじれてしまっているために激しい痛みが続きます。時間の経過につれ、顔面が蒼白になり冷や汗をかき、呼吸が弱くなって、ショック状態に陥ることがあります。絞扼性腸閉塞は命にかかわるので、緊急手術が必要となります。
腸閉塞の治療
上述のように、絞扼性腸閉塞は手術しか治療方法がありません。腸の癒着した部分をはがして血流を回復させますが、血流が回復しない場合は壊死した部分を切除することになります。切除した腸は壊死していない腸の部分とつなぐことになります。
昨今では、開腹せずに内視鏡下で手術できるような場合もあります。
閉塞性腸閉塞では手術ではなく、保存療法がとられます。まず、絶飲食で胃腸を休め、腸に溜まってしまった内容物を体外に排出させます。
ガスや便が出ることで回復したと考えられるものの、腸が詰まる原因となった箇所が正常に機能していない場合には再発する可能性があります。
まとめ
生命にかかわることもある腸閉塞の初期症状とは
生後すぐの腸閉塞
生直後以降の腸閉塞
症状による腸閉塞の分類と初期症状
腸閉塞の治療