中二病は、もちろん本当の病気ではありません。14歳頃の思春期頃に、子供たちは自立に向けた心理的葛藤が起こります。その段階で見られる、少し愉快で、つじつまの合わない言動を比喩した言葉です。なんでもできる気持ちになって自意識過剰な言動が多い時期と言えるでしょう。
中二病という言葉の始まりは、芸能人の伊集院光がラジオで使い始めたという説やパルコのフリーペーで用いられていたという説もありますが、定かではありません。
今は、ちょっと変わった独創的観点を持った人の事を総称して中二病と言ったりする事もあり、その言葉のニュアンスは変わりつつも世間に浸透しています。 中二病 の子供を持つ親は、この時点で子育ての方向転換を強いられます。
世話をするという立場から見守るという立場に切り替えなければなりません。子供の変化に合わせて親も変わっていかなければなりません。
中二病は成長過程において大切な時期 子育ての方向転換をする時!
中二病とは
中二病という言葉は造語ではありますが、子どもの思春期の特徴をとらえた比喩としては的を得ています。思春期を迎えた子供は自立心の成長と社会的な無知が合わさり、傍から見て誇大妄想とも取れる言動をとる事があります。
まだまだ自己愛が強く本当の意味では自立しているわけではありませんが、大人になったかのように勘違いし背伸びをしている時期です。
この頃から、社会生活に向けて成功と挫折を繰り返し、心が強く成長していきます。脳内では成長ホルモンの分泌が盛んになっている時期でもあり情緒不安定になりやすい時期とも重なります。
現代の中二病の時期
実は現代の中二病は14歳頃には起こっていません。女児だと小学校四年から、男児は高校一年からと、かなり開きが出てきています。女児はより早く自立心が芽生え、男児はいつまでたっても子供のままといった現象が起きています。
揉め事が減った為、男児の自立心が育たなくなった
子供は学校教育課程の中で、対人コミュニケーション能力を身に着けていくわけですが、最近では、みんな平等といった考えの風潮や、何か問題があればすぐに親が介入してしまうといった過干渉もよくみられます。
このような状態であれば、揉め事はなかなか起こらず、また起ったとしても自分自身で解決するといった経験をすること少なくなっているのです。その為、対人コミュニケーション能力が育たず、男子の場合いつまでたっても子供のままといった現象が起きています。
ですから、揉め事は実はあった方が良いものなのです。いじめとは異なりますし、揉まれる事によって対人関係を上手に構築する方法を学ぶことができるからです。
女児は1歳半頃から熾烈な争いをしている
男児の成熟が後退している一方で、女児の成熟は早まる一方です。共働き世代が増えた事によって早期から保育園などの集団の中で過ごす経験をする女児はこの時期から女性間特有のコミュニケーションの中で揉まれています。
仲間内で同調しているかのように見え、実は裏で拒絶してみたりと、とても複雑な心理が絡み合った中で成長していきます。女性はこのように保育園からデイケアまでといったように生涯にわたって熾烈な心理戦を経験してきます。その為、女性の心理的成熟は早いのです。
母性と父性と大トトロ
母性は母親だから持っているというものではありません。男性にも母性は存在します。母性は自分と一体化したような近さで子供を見る視点です。その為、子どもを肯定する事で自分自身も肯定するという心理が働きます。
善悪分け隔てなく、包み込む傾向がありますので、行き過ぎると過保護になってしまい、その延長の先には、学校で子供に何かあると、まるで自分が否定されたかのように感じ、反撃に出るモンスターペアレントになっていきます。
中二病の思春期は親から心理的な自立をしていく段階です。家庭内で母性が先に立った育て方をしているといつまでたっても子供は自立する事が出来ず、永遠の中二病を患う事になってしまいます。
一方父性は、善悪を区別して子供を指導する傾向の事を言います。駄目なものは駄目と言い切る事を大切に、子どもを育てます。子供が思春期を迎えた頃には父性を優先し、見守るといった子育ての方向転換が必要です。
となりのトトロを思い浮かべてみてください。理想はその中の大トトロです。子供が本当に困った時は手を貸しますが、それ以外はニコニコしてドーンと構えています。
子供が中二病にかかったら、是非トトロを思い浮かべて親は大トトロを演じてみてください。子供は安心して世間の揉め事に立ち向かい、心を育てていく事が出来るようになります。
まとめ
中二病は成長過程において大切な時期 子育ての方向転換をする時!
現代の中二病の時期
揉め事が減った為、男児の自立心が育たなくなった
女児は1歳半頃から熾烈な争いをしている
母性と父性と大トトロ