小児の腸閉塞は非常に重い疾患で重症化する危険性のある病気です。日常生活の中で予防できることがあると思います。重症化しないためには腸閉塞を発症した時の症状を知ることで早期発見につながります。
ここでは 腸閉塞の症状 や治療方法を詳しくお伝えします。
小児腸閉塞の症状。早期発見方法は見極めが大事
腸閉塞とは
子供の腸閉塞は先天性の病気に伴い発症する機能的腸閉塞と生後に発症する原因で引き起こされる腸閉塞の2種類があります。
先天性の場合には先天性腸閉鎖・狭窄や先天性食道閉塞・狭窄などの閉塞を伴う疾患が原因となります。十二指腸や小腸の一部が途切れ狭くなり新生児であれば手術が必要となる疾患でダウン症や消化器奇形と合併することが多くあります。
機能的閉塞を伴うと腸管はしっかりとできていても腸が正常な動きをしないことで閉塞します。先天的な閉塞が原因の場合には出生前に診断されることになります。
後天性での発症では腸管が未熟なことで発症する消化器疾患の壊死性腸炎は広い範囲の腸管に出血や壊死を起こすことで死亡率が高い疾患です。新生児には重病となり原因は不明ですが腸管での血流障害や感染症、授乳や薬剤による誘因により発症すると言われています。
また腸の一部が重なり合うことで腸内に腸の一部が入り込む腸重積も原因疾患となります。腸重積は放置することで腸内に血液が届かず壊死し手術が必要となりますが発症してから24時間以内であれば手術以外の方法で入り込んだ腸を元に戻すことが可能です。
他にも先天的に大腸、小腸などの壁にある細胞に異常が起き腸から肛門へ便が移動しないことで便が移動できず慢性的な便秘になり大腸が拡張してしまうヒルシュスプルング症もあります。
腸閉塞の種類
腸閉塞には症状により閉塞性腸閉塞と絞扼性腸閉塞の2種類にわかれます。
閉塞性腸閉塞は名前のとおり腸内が何かしらの原因で小腸や大腸に食物やガスが通過することができず腸内の内容物が肛門に運ばれないことで排泄ができずに溜まり激しい腹痛を起こすことにより発症します。
もう1つの絞扼性腸閉塞は腸自体が捻れ強く締まることで血行不良を伴うことで発症し血流障害を起こすことで手術するしかない腸閉塞です。早期に手術をしなければ腸が腐敗し敗血症を起こすことになり死亡してしまう危険な病気です。
症状
腹部が膨らみ激しい腹痛と嘔吐があります。腹痛は常時激しく続くこともありますが強い痛みと少し痛みが和らぐことを繰り返す痛みがあります。
腸閉塞ではしばしば嘔吐症状をあらわしますが嘔吐物に特徴があり下痢のような色合いの便臭のあるものを嘔吐します。嘔吐した直後は一時的に腹痛や吐き気が軽快することもあります。
絞扼性腸閉塞では時間が経つにつれて顔面が蒼白し冷や汗や冷感がみられ脈や呼吸が弱くなり早い段階でショック状態に陥るので注意してください。命に関わりますので緊急に手術が必要となります。
治療
絞扼性腸閉塞以外では手術以外の保存治療で治癒することが多い疾患です。
まずは食事や水分摂取を中止する絶飲食で胃腸を休めることからします。そのため脱水症状を起こさないように点滴で十分に補液をします。
症状が進行することで腸が張り内容物の詰まりが酷い時は鼻から胃までチューブを入れ詰まっている内容物や溜まっているガスを体外に出すことで腸内の圧力が減少し張りもすこし治まることで腸の状態が正常に戻ることが期待できます。
ガスや便が出ることで回復したと判断できるのですが腸の詰まりの原因となる場所が正常に機能していないと再発する可能性が残ります。
絞扼性腸閉塞は手術しか方法がなく腸の癒着した部分を剥がすことで血流を回復させます。癒着部分をはがしても血流が改善されないときは一部が壊死している可能性があるのでその場合には壊死した部分を切除し正常な腸とつなぐ手術となります。
近年では回復手術ではなく内視鏡を使用した手術も適応されていることから傷も小さく患者の体への負担も軽減されています。
予防
腸閉塞は繰り返し発症することがありますが何度も繰り返す時には生活習慣の見直しが予防につながる場合があります。排便習慣をつけることで腸を正常に循環させることが大切です。便秘になることだけでも大変辛いことですので毎日トイレに行く習慣を心がけてください。
生活習慣には食生活も重要です。不溶性の食物繊維が多いものは避けてください。ゴボウやオクラ、筍などは避けたほうがいいです。また消化しにくい食材もさけてください。鍋物や野菜、豆腐、白身の魚を使用した料理がいいとされています。なんでもよく噛んで食べることが大切です。
シチューやおでんなどの煮込み料理は消化面からしてもお勧めの食事です。
まとめ
小児腸閉塞の症状。早期発見方法は見極めが大事
腸閉塞とは
腸閉塞の種類
症状
治療
予防