「子供が突然腹痛を訴えました。初めは何か悪いものを食べたのかと思っていましたが、見る見るうちに顔色が悪くなってきました。」このような時、腸閉塞の症状を疑う目を持つことは親御さんにとってとても大切です。
今日は 腸閉塞 の 症状 について理解を深めていきましょう。
命を落としかねない腹痛、腸閉塞。症状は一体どんなもの?
胃腸炎などの腹痛と腸閉塞の痛みの違い
腸閉塞の場合、激しい腹痛が起こりますが、発熱が起こることはあまりありません。発熱をともなう腹痛の場合、腸閉塞よりは、食中毒やウイルス性胃腸炎や風邪などが疑われます。
また、腸閉塞は腸が詰まっている状態なので排便は止まり、下痢もおならも出ません。そのため逆説的ですが、下痢やおならが出ている腹痛の場合は、腸閉塞ではないと言えます。
食中毒や胃腸炎の場合は胃腸の痛みなどの不快症状から始まり、気持ち悪さ、嘔吐とともに下痢が起こります。そして、嘔吐や下痢を排出したら痛みが落ち着くという状態を繰り返し次第に回復します。
これに対して腸閉塞の場合、胃のキリキリした痛みから始まり、強い痛みと弱い痛みを繰り返します。これを「疝痛発作」といいます。
「疝痛発作」の痛みは突発的な上腹部痛で、「さしこみ」とも表現されます。前屈姿勢でうずくまり、時に七転八倒するような痛みと表現されます。この痛みはショック状態に陥るほどのものであり、時に命の危険を伴います。
腸閉塞の嘔吐症状
普段は飲食したものが胃、小腸、大腸へスムーズに移動していき、最終的に便として排出されていくところ、腸閉塞では、小腸や大腸のどこかが何らかの原因により詰まることにより、内容物が滞る状態です。
そのため、詰まった内容物が逆流して口の方へ向かって上がっていき、嘔吐するのです。
腸閉塞になると、初期症状では透明から白、黄色の胃液や胆汁を吐しゃします。
症状が進むにつれ、腸内に留まっていたものが排出されるので、吐しゃ物は次第に緑がかり、さらに進むと下痢便のような色、臭いのきついものとなって排出されてきます。このように糞便の色や臭いをともなう嘔吐を吐糞症と呼びます。
そして、嘔吐した直後は一時的に症状が落ち着くこともあります。
腸閉塞の子供の症状
特に赤ちゃんなどは激しく泣くものの言葉で症状を訴えないので、親御さんは慌てて手をこまねくかもしれません。初期症状から1日以内に命を落とす例もあり、慌てている間に重篤な事態に陥ってしまう危険があるため、腸閉塞の子供の症状は知識として押さえておいた方が良いでしょう。
子供の腸閉塞は特に、絞扼性イレウスという、小児科医による診断が難しいものもあり、病院に連れていき症状を訴えるものの「胃腸炎」と診断され帰宅し、死亡する例もあります。子供の命を守るためにも、「腸閉塞を疑っている」旨を医師にしっかりと伝える必要があります。
腸閉塞の赤ちゃんの場合、機嫌が悪くなり、まず排便がなくなります。この時にまず親御さんは便秘を疑うでしょう。そして、綿棒浣腸やお腹のマッサージを行うことと思いますが、それでも症状は良くなりません。
それから5分から15分に一度の間隔を置きながら激しく泣き続け、お腹が固く膨れ、嘔吐を繰り返します。この時点で親御さんは腸閉塞を疑い、早めに病院で診察を受けましょう。
吐しゃ物の色は先述した通り透明、白、黄色、最終的には吐糞症となり、吐血へと進行していく場合もあります。顔色は蒼白でぐったりし、手足が冷たくなり汗をかきます。自力歩行が困難になり、意識が朦朧とした場合、一刻を争います。
もしも、この時点でまだ医師の診察を受けていない場合はすぐに救急車を手配しましょう。
まとめ
命を落としかねない腹痛、腸閉塞。症状は一体どんなもの?
胃腸炎などの腹痛と腸閉塞の痛みの違い
腸閉塞の嘔吐症状
腸閉塞の子供の症状