腸炎 は、子供に多く見られる病気の一つです。嘔吐や下痢といった症状が現れるため、水分の補給や食事をどのようにすればよいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。そこで、嘔吐や下痢が見られた場合の 食事 について見ていきたいと思います。
子供が腸炎のとき食事や水分補給はどうすればよいのか
最も割合が高いのは感染性腸炎
腸に炎症を起こす病気はたくさんあります。その中で、実際に最も割合が高いとされているのが感染性腸炎です。これはウイルスや細菌が腸に感染することによって発症する腸炎で、発熱や嘔吐、下痢といった症状が見られます。
また、ウイルスと細菌のどちらに感染するかによって、症状の程度が異なるのも特徴の一つです。代表的なウイルスには、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなどがあります。これらに感染すると、突然の嘔吐と発熱で発症し、やがて下痢を起こします。
しかし、ほとんどの場合、1週間で症状は治まります。細菌の代表的なものは、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌などです。これらに感染すると、急激に発熱や嘔吐、下痢が起こります。多くの場合、ウイルス性よりも細菌性のほうが重症化しやすく、症状が長く続きます。
腸炎になった場合は脱水に注意する
腸炎の症状としてよく見られるのは、嘔吐と下痢です。どちらも水分を失う症状ですので、脱水にならないように注意しなくてはなりません。特に子供は身体が小さく、身体に保有する水分量が少ないですので、脱水を招きやすいといえます。
そこで、腸炎になった際の食事の考え方としては、まず失われる水分の補給を行うことを第1目標とします。水分を補給するのに最もよい方法は、経口補水液を与えることです。
経口補水液とは、ブドウ糖やナトリウムなどの成分が含まれた液体で、腸内で水分や塩分が速やかに吸収されるように調整されたものです。脱水を起こした場合は、水分だけでなく塩分も補給する必要があるため、経口補水液が最もふさわしいのです。
スポーツ飲料にも塩分が含まれていますが、経口補水液に比べると量が少なくなっているため、あまりおすすめできません。また、お茶や水は塩分を含まないため、あまりたくさん飲ませるとかえってぐったりすることがあります。
逆に、嘔吐や下痢をしている子供に飲ませてはいけないものは、牛乳です。牛乳は敏感になっている胃を刺激しますので、飲ませると治まりかけていた嘔吐や下痢をぶり返す可能性があるのです。
たとえ、子供がアイスクリームなどを欲しがったとしても、牛乳が含まれているので与えないようにしましょう。
乳児が嘔吐や下痢をした場合は
乳児が感染性の腸炎にかかり、嘔吐や下痢といった症状を起こすことももちろんあります。乳児がそうした症状を発症した場合は、幼児のときよりも脱水に注意が必要です。
乳児が体内に保有する水分量はごくわずかなため、嘔吐や下痢を起こすとたちまち脱水状態になってしまいかねないのです。ですので、嘔吐や下痢が見られたときは、すぐに医療機関を受診し、適切な処置を受けるようにしてください。
嘔吐や下痢が治まってきたら
吐き気や下痢が治まってきたら、便を固くして下痢を抑えてくれるような食べ物を与えるようにします。具体的には、おかゆやご飯、うどん、パンといった炭水化物と、バナナ、リンゴなどです。これらを食べても問題が見られないようでしたら、いつも通りの食事に戻していって構いません。
離乳食の場合は、吐き気が治まって食べられるようであれば、これまで通りのものを与えて構いません。ただし、ジュースやゼリーなど糖分を多く含む食品は、下痢を悪化させることもありますので、しばらくは控えめにしてください。
母乳やミルクも、乳児が受け付けるのであれば、いつも通りに飲ませて問題はないでしょう。
子供の様子をよく観察することが大切
嘔吐や下痢の原因は感染性の胃腸炎がほとんどですが、なかには別の病気が潜んでいることもあります。子供の様子をよく観察して、少しでもおかしいと感じることがあれば、医療機関を受診するようにしてください。
腸炎の症状は、大人はもちろん、子供にとっても不快なものでしかありません。苦しんでいる子供を見ますと、ついかわいそうになってしまい、子供の欲しがる食べ物や飲み物を与えてしまいがちです。
しかし、それはあまりよくありません。できるだけ早く不快な症状から解放されるためにも、適切な水分補給と食事の管理を心がけましょう。
まとめ
子供が腸炎のとき食事や水分補給はどうすればよいのか
最も割合が高いのは感染性腸炎
腸炎になった場合は脱水に注意する
乳児が嘔吐や下痢をした場合は
嘔吐や下痢が治まってきたら
子供の様子をよく観察することが大切