腸炎は胃炎と同様に年齢や性別問わず、誰でもなる一般的によく見られる病気の1つです。細菌やストレスなど何らかの原因により腸の粘膜に炎症が起き、腸の機能が低下した状態を言います。急性腸炎では、細菌やウイルスによるものが過半数を占めます。
ウイルスによる腸炎は乳幼児にも多くみられ、通称「お腹の風邪」とも言われています。また、サルモネラ菌やブドウ球菌と言った食中毒による腸炎も多くみられます。ここでは 腸炎 の症状や治療などについて書いていきたいと思います。
腸炎とはどのような病気なの?
どんな症状が出現するの?
腸炎の主な症状は腹痛、下痢、発熱などがあります。下痢は1日2~3回の場合もあれば、20回以上続くこともあります。まれに吐き気なども伴う場合もありますが、嘔気・嘔吐が強い場合は腸炎ではなく胃腸炎を疑いましょう。
ウイルス性の腸炎の場合はこれらの症状の他に、咳や鼻水などの風邪症状を伴うこともあります。症状の1つである下痢は、持続すると脱水症状を引き起こします。脱水症状が起こると倦怠感や頭痛など全身症状を引き起こし、悪化すると血圧低下や意識障害など生命に危険を及ぼします。
小児や高齢者は脱水の症状が表に出てきにくい場合もあるので特に注意が必要です。また、食中毒の原因であるサルモネラ菌では血液の中に細菌が侵入する菌血症、O-157では脳症など重篤な合併症を引き起こすことがあります。
どんな検査や治療をするの?
腸炎の診断は普通の問診や聴診などと一緒に血液検査や便検査を行い調べます。血液検査では炎症が起こっている場合に上昇する白血球やCRPという項目の数値をチェックします。便検査では便を少量採取し、原因となっている病原菌を顕微鏡で確認します。
症状が強い場合は必要に応じて大腸カメラを行う場合もあります。小児の場合は食物アレルギーなどでも腸炎を起こす場合があるため、必要であればアレルギー検査を行います。
腸炎は大多数が自然治癒で完治しますが治療としては、下痢や発熱などそれぞれの症状に対して整腸剤や解熱剤を投与する対症療法が主体となります。下痢は無理やり止めると原因となるウイルスなどの病原体の排出も阻止してしまうため下痢止めなどは必要最少量で留めます。
抗生剤などを投与する場合もありますが、その有効性ははっきりとは分かっていません。また、脱水予防のために水分摂取や点滴などの補液が行われます。下痢によって水分だけではなく、電解質のバランスも乱れている場合も多いので水分摂取はスポーツドリンクがお勧めです。
また、安静に過ごし、腹部を冷やさないように保温することが大切になってきます。乳幼児の場合は、頻回の下痢によりおしりがただれる事も少なくありません。
下痢の回数が多い場合はお尻拭きなどのウェットティッシュは痛みが強くなったり、発赤を更に悪化させてしまうので使用せず、ぬるま湯でお尻を流してあげると良いでしょう。ただれが酷い場合は小児科や皮膚科で塗り薬を処方して貰って下さい。
腸炎の予防方法は?
ウイルスや細菌による腸炎は手洗い、うがいによっての予防が最も有効です。サルモネラなどの食中毒は食べ物をしっかり加熱することやまな板や包丁など台所用品の消毒などで予防します。
また現代ではストレスによる腸炎も増加してします。試験や重要な会議、悩みなどで身体にストレスが掛かると下痢症状が出現する人が増えてきています。これは精神的ストレスにより腸管を支配する神経が乱れることが原因で起こります。
上手く気分転換をはかり出来る限りストレスを溜めこまないことが腸炎を予防することに繋がります。
まとめ
腸炎とはどのような病気なの?
どんな症状が出現するの?
どんな検査や治療をするの?
腸炎の予防方法は?