蓄膿症は、副鼻腔炎が慢性化したものです。蓄膿症になると、治療は2~3か月の長期間に渡ります。蓄膿症の治療の1つとして漢方薬が用いられることがあります。
漢方薬 の 蓄膿症 への効果と使用する種類についてお伝えします。
蓄膿症に効く漢方薬
漢方薬のメリット
医療機関にかかると、蓄膿症の場合は抗生物質を処方されることがほとんどです。抗生物質は細菌を殺す働きがあります。しかし、体にとってよい働きをする腸内細菌なども同時に死滅させてしまうため、抗生物質を服用することでおなかの調子を崩してしまう人もいます。
他にも、副作用として強い眠気や体のだるさを感じる人もいます。そのため、蓄膿症が改善するまでの長期間、抗生物質を服用し続けることに不安を感じる人も少なくありません。その点、漢方薬は上記のような副作用の心配が少なく、長期間の服用にも安心です。
また、いろいろな漢方薬を組み合わせることで、今の辛い症状を改善する即効性と、将来的に蓄膿症にかかりにくくなる体質改善の両方に効果が期待できます。
蓄膿症に効果のある漢方薬は、アレルギー性鼻炎に対しても有効な場合が多いため、花粉症などを併発している人にはさらに有効と考えられます。
蓄膿症治療に用いる漢方薬
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
葛根湯は、風邪薬として有名な漢方薬です。クズの根を主成分とし、ショウガの根やシナモン、ナツメなどの生薬によって作られています。体を温め血行を促進し代謝を高める働きがあります。
川芎はセンキュウの根から作られています。血のめぐりをよくして、冷えからくる体の痛みを和らげる効果があります。辛夷はモクレン科コブシのつぼみから作られます。鎮静、鎮痛の効果があり、頭痛や肩こりを伴う鼻炎や蓄膿症に用いられます。
この3つの漢方薬を調合してつくられたのが、葛根湯加川芎辛夷です。汗をかきにくい体質の人におすすめの薬です。暑がりで汗をよく書く人には不向きな薬です。
刑芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体の中に水分が滞り、代謝が悪い人におすすめの薬です。体に水が滞ると、「水毒」となって、体に悪影響をおよぼし、アレルギー症状や肌荒れなどをおこします。
刑芥連翹湯は水毒の症状を改善し、上半身におきている炎症をおさえます。そのため、鼻炎や蓄膿症に対して効果がみられるのです。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
発汗を促す麻黄や桂皮、体を温める細辛・乾姜、など、多くの漢方薬を調合して作られています。くしゃみや透明の鼻水がでる鼻症状やアレルギー性鼻炎に効果があります。乾いたせきをするひとや、粘り気のある痰などがでる人には不向きな薬です。
漢方薬の飲み方
子どもにも安全なイメージがありますが、乳児には与えてはいけません。2歳をすぎてから服用させる方が賢明です。また、服用時は水か白湯で飲むようにします。白湯は体を温める効果があるので、体の冷えが気になる人は漢方薬の効果をさらに高めることができます。
お茶などで飲むと薬の効果に影響を与えてしまうことがあるため控えるようにします。また、空腹時に服用することも大切です。これは空腹のときのほうが、薬の成分が吸収されやすいためです。食前や食事と食事の間で服用することが基本ですが、空腹であればいつでも服用してかまいません。
服用する間隔は短くとも4時間程度はあけるようにします。意識しておくべきことは、漢方薬は万能ではないということです。生活習慣や食習慣を改善することで、漢方薬の効き目を高めることができます。蓄膿症の治療には時間がかかるため根気が必要です。
医師としっかりと相談をし、適切に薬を服用をしていくことが病気の改善への一番の近道です。
まとめ
蓄膿症に効く漢方薬
漢方薬のメリット
蓄膿症治療に用いる漢方薬
漢方薬の飲み方