子供の 蓄膿 症は、正式には小児副鼻腔炎といいます。基本的には風邪の延長で菌やウイルスが副鼻腔というところに入り、炎症を起こす事が原因で起こります。
症状としては鼻水や鼻づまりが主です。子供にとっては口呼吸になり、息苦しくしてイライラしたり集中力に欠けたりしますし、まれに、中耳炎にまでつながる事もありますので、早めに対処してあげたい病気です。
しかし、最近では風邪症状がなく鼻水も多く見られないのに、副鼻腔炎を起こす子供が多く見られるようになってきました。その要因はアレルギー性鼻炎です。子供の蓄膿症は時代と共に、見た目だけでは判断しにくくなってきています。
子供の蓄膿、早く気付いて適切な治療を
鼻水が2週間以上続いたら蓄膿症を疑いましょう
最近では子供の風邪の治療に早期から取り組まれる家庭も増え、蓄膿症も軽度であり早期に治癒される例が多くなってきています。しかし、子供の蓄膿症の発生頻度は減少が見られていないどころか、繰り返す例や、難治性の蓄膿症が見られる子供が増えてきている傾向にあります。
その原因はアレルギー疾患を持つ子供の増加です。風邪の治療を行った後でも鼻水が止まらない等の事があれば一度、耳鼻咽喉科を訪ね詳しく検査をしてもらう事をお勧めします。
通常子供の病気の場合は小児科や内科で済むことがありますが、風邪だという事で抗生物質を飲んだにも関わらず、鼻水が改善しないという事はアレルギーや抗生物質に耐性を持った菌が副鼻腔内に存在すると考えられます。
最近の耳鼻科の先生はアレルギーに関する知識を持った方が多くなっていますので、専門的に検査できる耳鼻科で子供の鼻水を見てもらった方が安心かつ確実です。
鼻水はあまり出ないけど、痰がらみの咳をする時は注意
鼻水と言えば鼻から垂れてくるものと思っている方も多いと思いますが、実は鼻水は喉の方に流れてしまって表に出てこない事もあるのです。
この場合、子供は反射的に痰が絡んだような咳をすることがあります。とても風邪症状と似ていますので、風邪であると思い込み、蓄膿症を見逃してしまう事もしばしばあります。
このような場合もやはり、どのくらい鼻水や痰がらみの咳の症状が続いているかを観察して、蓄膿を疑って耳鼻科を受診される事をお勧めします。
抗生剤治療に注意
基本的には内服治療、鼻の洗浄・吸引が主な治療法になります。しかし、内服治療に使う抗生物質にやや問題があります。それは耐性菌の存在です。最近、抗生物質に対して抵抗力が強い菌が多く存在するようになっています。
もし、蓄膿の原因が菌によるものであった場合、薬の選択を誤れば治療できるどころか耐性菌の増殖を招いてしまう事になるのです。
一か所の病院でなかなか改善しないからと言って、他の病院を渡り歩いてしまう方もいますが、その方法では抗生物質を無駄に長く服用する事に繋がってしまいます。
どうしても他の病院に頼りたいと思うときは必ず、薬は何を飲み、どのくらいの期間飲んでいたかを医師に告げるようにしてください。
お鼻フーン!!は重要!!すすったり、そでで拭ったりはNG
蓄膿症治療では服薬での治療もさることながら、鼻水を排出する事も重要です。蓄膿症は通常では空洞であるべき副鼻腔に鼻水が溜まった状態です。その為、鼻をすすったりして積極的な鼻水の排出を止めてしまうと副鼻腔内で菌が繁殖し炎症は悪化します。
さらに、副鼻腔に鼻水が溜まった状態が長く続くと、鼻水の粘性が高まり、寝ているときなどに喉の方に鼻水の塊が落ちてくることがあります。これは子供の場合、柔らかい餅が喉に落ちてくるのと同じでとても危険です。ですので、積極的に鼻水は外へ排出しましょう。
耳鼻科と小児科
蓄膿症が疑われる場合や、蓄膿症の治療中は鼻水を止めないようにしなければなりません。耳鼻科であれば当然、鼻水を止めずに行う治療方針を立てますが、小児科であれ風邪症状と同じように、薬で咳や鼻水を止めてしまう薬が処方される事が多くあります。
子供の病気の殆どは小児受診で賄う事が出来ますが、耳鼻科に関しては専門医を頼った方が無難と言えます。
まとめ
子供の蓄膿、早く気付いて適切な治療を
鼻水が2週間以上続いたら蓄膿症を疑いましょう
鼻水はあまり出ないけど、痰がらみの咳をする時は注意
抗生剤治療に注意
お鼻フーン!!は重要!!すすったり、そでで拭ったりはNG
耳鼻科と小児科