我が子のまばたきの数や一部の行動に日ごろとは異なるチック症の症状があらわれ、自身の子育ての仕方などが子供のストレスでチック症となっているのではないかと不安を感じている親も少なくないでしょう。
果たして チック症 の 原因 は本当に親が深く関係しているのでしょうか。
チック症の原因は親からのストレスではなく脳の発達に問題? (前編)
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チック症とは?
チック症とは突発的、かつ急速に不随意(ふずいい:自分の意思とは無関係にでる)な運動が連続して繰り返される症状がでるもので、18歳未満に発症し、4週間以上症状が続くものを指します。
発症は幼児期から小学生に出ることがほとんどで、小学校3、4年生くらいがもっとも多いと言われています。症状によって運動性チック、音声チック、トゥレット症の3つにわけられます。
男女比では男の子が女の子の約3倍チック症を発症しやすいと言われ、10%前後の子供たちは何らかのチック症を経験するとも言われています。
チック症の発症は親の子育て方法に対するストレスが原因などと言われていましたが、果たして本当に親の教育法によって発症を促してしまっているのでしょうか。
チック症の症状ごとの分類と発症原因
チック症には運動性チック、音声チック、トゥレット障害の3つあります。
運動性チックのおもな不随意運動としてはまばたき、飛び跳ねる、頭をねじる、肩すくめ、首を振る、手足や体を突っ張らせる、顔ゆがめが代表的なものです。
音声チックではもっとも代表的な行動が咳払いになります。そのほか鼻を鳴らす、「バカ」「死ね」などの汚い言葉や性的な言葉を発する、奇声を発するなどの症状があります。
トゥレット症は、複数の運動性チックと1つ以上の音声チックの症状が複雑に出て重症化した状態が1年以上継続している場合を言います。1,000人に対し4人から8人程度はトゥレット症発症者が存在すると言われています。
チック症自体の発症原因が近年では、脳内の神経伝達物質であるドーパミン異常によるものと考えられ、遺伝的要素も大きく影響していると言われています。
中でもチック症が重症化したトゥレット症は2016年に改訂された発達障害者支援法において、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの発達障害の中に含まれるようになりました。
通常、成長と共に脳が発達していくことでチック症の症状が徐々に軽減され、結果的に自然治癒する場合がほとんどです。
しかしトゥレット症は慢性的、かつ長期的に症状が続くため、発達過程では改善されない何らかの脳への障害があると考えられているため発達障害と同様の集合体として認められるようになったようです。
また自閉症、注意欠陥多動性障害、強迫性障害などにおける多動症状を抑制するために処方される薬によってトゥレット症の症状が激しく出る可能性もあるなど、ほかの発達障害と密接な状態でもあります。
症状が複雑に頻発するために日常生活にも支障が出る場合もあります。トゥレット症のように慢性化した場合は薬物療法による治療が必要になるため、気になる行動や言動など疑わしい状態の場合はきちんと専門医にみてもらうようにしましょう。
まとめ
チック症の原因は親からのストレスではなく脳の発達に問題?(前編)
チック症とは?
チック症の症状ごとの分類と発症原因