わが子が真夜中に「ケーンケーン」という激しい咳の発作がでた場合、救急車を呼ぶべきか悩みます。このクループという病気は ボスミン という薬剤の吸入で症状が落ち着くものと、悪化すると状態によっては命の危険もあります。
親として突然の発作対策のためにもしっかり学びましょう。
クループを鎮静させる薬ボスミンは夜の急な発作の救世主 (前編)
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クループとは?
クループとはクループ症候群、別名急性喉頭炎(きゅうせいこうとうえん)などとも呼ばれ、喉頭部分に起こる病気をいいます。
喉頭とは喉の一部分の呼び名で、まず空気は咽頭(いんとう)をとおり気管に入ります。その咽頭と気管の途中の声帯がある部位を喉頭と呼びます。
クループ症候群とは一つの病名の呼び名ではなく、ウイルスや細菌などによって咽頭部分に炎症や腫脹(しゅちょう:何らかの原因で体の一部が腫れあがること)が起こることで気道が急激に狭くなり、「ケーン、ケーン」という犬の鳴き声のような乾いた咳(犬吠様咳嗽:けんばいようがいそう)が出ます。
喉の炎症によって声帯にも影響が出るためかすれ声にもあります。また「ヒューヒュー」と音を立てながら苦しそうに呼吸するようになります。
状態によっては呼吸困難を招く恐れもあるため放置すると危険な病気の総称で、喉頭気管気管支炎、喉頭気管気管支肺炎、急性喉頭気管炎、喉頭ジフテリア、細菌性気管炎、痙性クループなども広くこのように呼びます。
そしてクループ症候群の発症者の多くは乳幼児でとくに3歳までの子供に最も多いと言われ、夜に発作が激しくなる傾向もあります。親としては急な発作を鎮静させるためにボスミンという薬剤の知識を得ておく必要があるようです。
クループの症状の変化とは?
インフルエンザの罹患中や持病で喉のアレルギーなどがある人はクループになりやすいと言われているため、日ごろより加湿器などにより室内の湿度を適度に保つようにしましょう。
健康時には赤血球の中にあるヘモグロビンが酸素を体全体に供給する役割があります。しかし咳が激しくなり呼吸困難がおこることで体内への酸素供給が正常に働かないために、唇や指先、顔が青白く変化して、体が冷たくなるチアノーゼの症状がでてくるようになります。
幼い子供は、長い時間泣き続けたり鼻づまりなど病気の症状でなくてもチアノーゼが出る場合もあり、とくに喘息をもっている子供はこの症状がでやすいと言われています。
チアノーゼの中でもクループが原因の場合はおもに末梢性チアノーゼと考えられます。一時的に血流状態が悪くなり酸素供給の働きが弱まっている場合に起こります。
末梢性チアノーゼの場合は、冷えた体のマッサージをすることで滞った血流が回るようになり酸素供給も次第に正常になってきます。ただしこれはあくまでも一時的なチアノーゼの対処にすぎません。
体内に酸素供給ができない時間が長く続くと命の危険もあるため、マッサージなどで体を温めてもチアノーゼの状態が継続している場合はすぐに病院に連れて行くようにしましょう。
クループの症状が悪化して喉頭蓋(こうとうがい:喉頭の入り口にあたり、食べ物誤嚥を防ぐ役割がある)まで細菌が感染すると急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)に発展してしまい命を落とす危険もあるため入院治療となります。
クループ症候群は夜間に症状がひどくなる確率が高く、一時的なチアノーゼがでる可能性もあるため、家族としては対応に非常に戸惑いや焦りも感じやすい病気です。
そのため、もし同じ症状が何度も出ていたリ、夜間の対処に不安を感じる場合は、クループ症候群の対処薬として効果を発揮しているボスミンの吸入器を処方してもらうなど医師に相談してみましょう。
まとめ
クループを鎮静させる薬ボスミンは夜の急な発作の救世主(前編)
クループとは?
クループの症状の変化とは?