「クループを鎮静させる薬ボスミンは夜の急な発作の救世主(前編)」では、クループの症状についてご紹介いたしました。後編では、クループ症候群に効果を示す ボスミン という薬剤の吸入についてご紹介いたします。
クループを鎮静させる薬ボスミンは夜の急な発作の救世主(後編)
ボスミンとは?
クループ症候群にはおもにボスミンという薬剤の吸入が効果を示しています。ボスミン吸入後、数分から数十分で効果があらわれます。逆に効果がほとんど見られない場合は、別の病気を疑う必要があります。
ボスミンやエピスタという名称は商品名で、医学的な一般名としてはエピネフリンやアドレナリンと言われ、気管支を拡張させ呼吸を楽にさせる作用のほか、鼻、口腔粘膜の充血や腫脹を抑制する作用などがあります。
クループ以外にも気管支ぜんそくや百日咳、心停止の補助薬、局所麻酔の作用を延ばす際などにも使用されています。
ボスミン外用液0.1%(第一三共)の場合は、気管支ぜんそくや百日咳に対しては薬剤を5倍から10倍に希釈し、1回分の吸入は0.3mLとします。吸入の間隔も必ず4時間から6時間を空けるようにします。
夜間に症状が激しく出る場合が多いため、症状が頻発している患者に対してはボスミンの吸入器を処方することが多いようです。副作用として不整脈、動悸、手の震え、頭痛、嘔吐、呼吸困難、発汗、顔面蒼白、また最悪の場合まれに心停止なども考えられます。
重篤な状態な場合は、入院となりステロイドの点滴静脈注射や抗生物質の投与が必要な場合があります。確かにボスミンはクループの発作が頻発している人、とくに幼い子供にとっては、親として救世主と感じる薬剤ではあります。
しかしどんな薬剤にも副作用があり、安易に使い続けることもあまり良いとは言えない場合もあります。状態によってはボスミンを吸引せずに症状が治まる場合もあるため、しっかりと薬の知識を知った上で使用するようにしましょう。
またどの薬剤に関しても複数の薬剤内服には注意が必要です。
とくにボスミンの場合は重度の不整脈患者、抗精神病薬投与患者、糖尿病患者、甲状腺に関する患者、高血圧の人などに関しては、ボスミン投与によって別の病気を発症したり命の危険を伴う可能性があるため使用を禁ずる、または非常に慎重に投与する必要があります。
そのためもし子供がクループ発症時には、持病をはじめ、近日で内服した薬剤名などを明確に医師に伝えておくことをお勧めします。
まとめ
クループを鎮静させる薬ボスミンは夜の急な発作の救世主(後編)
ボスミンとは?