頭痛 に 微熱 が伴えば、普通は風邪でもひいたかな?と考えます。でも本当に風邪でしょうか?多くの危険な病気の症状に頭痛と発熱があります。髄膜炎もそのひとつです。髄膜炎はタイプによっては重症化しやすい怖い病気のひとつです。
髄膜炎か風邪かの見極めは医者でも難しいと言われます。どのような時に髄膜炎を疑えばいいのでしょう。
頭痛と微熱が続くけど、これって髄膜炎?
髄膜炎とはどのような病気なの?
脳や脊髄を保護している膜には硬膜、くも膜、軟膜とありますが、それらをまとめて髄膜と呼びます。その髄膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態を髄膜炎といいます。ですから、頭痛や微熱の症状が出るわけです。時に炎症が脳の中にまで広がり障害を起こすことがあります。
原因は主に2つで、1つはウイルスによるものです。ウイルスによるものですから抗生剤は効きませんが、重症化するケースは少ないです。もう1つは細菌が原因の髄膜炎です。乳幼児や子供に多く、抗生剤が有効ですが、時に早期治療を行ったにもかかわらず命を落としたり、助かっても障害が残る場合もあります。
髄膜炎とはどのような症状が出るの?
- 発熱(高熱であることが多いが、微熱のこともある)
- 頭痛(激痛であることが多いが。初期は我慢できるほどの頭痛であることもある)
- おう吐(頻回なおう吐が続くことが多いが、無い人もいる)
- 首の痛みや首が固くなる(ない人もいる)
- 羞明(しゅうめいと言い、光で目に痛みを感じる症状のことですが、ない人もいる)
以上の症状が全て出るとは限らず、程度も人によって違います。そのために、多くの人は最初はただの風邪かインフルエンザだと勘違いします。
髄膜炎とはどうやって診断するの?
頭痛や発熱、微熱などの上記の症状に加えて、背中を曲げた時に痛みがないかなどの診察をもとに髄膜炎の疑いがあるかどうか判断します。疑いがある場合はルンバールという髄液検査を行います。髄膜炎の確定はこの髄液検査でのみしかできません。
腰から針を刺し直接髄液を摂取します。同意書を必要とする検査で、患者の苦痛も少なくない検査です。採血やレントゲンのように簡単に検査ができないことが、診断を難しくさせている大きな理由です。
検査にかかる時間は病院によって違いますが、場合によっては結果を待たずに、抗生剤の投与を始めます。
どんな時に病院に行ったらいいの?
頭痛と微熱が症状であれば風邪だと判断してもおかしくありません。市販の風邪薬で寝ていようと判断するかもしれません。医者に行ってもまずは風邪だと診断される可能性が高いと思われます。危険を伴う骨髄検査が簡単にできない以上は仕方のないことです。
できることは経過をしっかり観察することです。風邪ならば2~3日で回復方向に向かうことが多いです。インフルエンザでも4日も経てば高熱が落ち着き、微熱へと変わってくるはずです。頭痛も少しずつマシになるのならば風邪やインフルエンザの可能性が高いです。
頭痛や微熱に加えて首の固さが現れてきたり、頭痛がひどくなっていると感じた時は再度受診しましょう。また、症状が1週間経っても快方に向かっていないと不安になれば医師に相談しましょう。
髄膜炎の予防はできないの?
髄膜炎の中でも細菌性髄膜炎は頭痛や微熱に始まり、あっという間に悪化することが少なくありません。死に至ることもあるほどの病気です。原因となる細菌はさまざまで、どこにでも存在する細菌です。特にヒブ菌と肺炎球菌で細菌性髄膜炎の約8割を占めると言われています。
日本でも2013年からこの2つの細菌に対しての予防接種の定期化が始まりました。海外では一足早く導入している国も多く、有効性が認められています。きちんと予防接種を受けることが一番の予防対策です。
まとめ
頭痛と微熱が続くけど、これって髄膜炎?
髄膜炎とはどのような病気なの?
髄膜炎とはどのような症状が出るの?
髄膜炎とはどうやって診断するの?
どんな時に病院に行ったらいいの?
髄膜炎は予防はできないの?