便秘のお子さんをみている親御さんは、その痛々しい姿に心を痛めていることと思います。あまりにもひどい様子だと 便秘薬 に頼る方法もありますが、適切に与えないと 下痢 を起こし、それが心に残った場合その後の排便にも悪影響を与えかねません。適切な使用を心がけましょう。
子供の便秘薬と上手に付き合い、下痢にならないペース配分を
便秘薬の種類
便秘薬にもさまざまな種類がありますから、初めは医師の処方や薬剤師のすすめなど、専門家の指示に頼るべきかとは思いますが、もしも長期のお休み時に子供がひどい便秘を起こしたら、自分で薬を選ばざるを得ません。
そこで、少しでもお子さんに向いている便秘薬を選ぶには、便秘薬の種類を知っておかなくてはなりません。
ここでは、便秘薬の種類とその内容について説明します。
便秘薬には大きく、「刺激性便秘薬」と「機能性便秘薬」にわけられます。
まず、一般的に「下剤」と呼ばれるものは「刺激性便秘薬」という種類ですが、これは腸の粘膜を刺激し、腸を無理やり動かす種類のものです。この便秘薬を使う場合は、なるべく長期の使用を控えましょう。なぜなら、常用の習慣がつきやすい副作用が懸念されているからです。
薬の箱の裏面をよく読んだ上で購入し、お子さんにはこのような強めの薬は避けておく方が良いでしょう。刺激性下剤に含まれる成分は大黄、センノシド、センナ、アロエ、ピスコルファートナトリウム、ビサコジルなどです。
次に「機能性便秘薬」と呼ばれるものですが、これは便に水分を増やすことで便をかさ増しすることにより排便を促す上に、固い便ではなくなるために肛門に負担をかけずに排出することができます。
この薬は、先述の「刺激性便秘薬」ほど強いものではありません。腸ではなく便に直接働きかけるもののため、どちらかを選ぶのならこの「機能性便秘薬」を選んだ方が子供には良いでしょう。
食後に服用することで、食事と薬の成分が胃の中で混ぜられ、便に成分が取り込まれます。そして、この成分が小腸の中の水分を便に取り込んでいくという構造になっています。機能性便秘薬に含まれる成分は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムです。
機能性便秘薬を服用したことによる下痢
先述のとおり、お子さんに便秘薬を服用させる場合は刺激性便秘薬よりは機能性便秘薬を選ぶようにしたほうが良いのですが、この機能性便秘薬は、飲むペースや量を考えないと下痢を引き起こします。
食後に決められた量を飲む必要がありますが、一度の服用で排出された場合は、次の便秘までは飲ませないで構いません。引き続き飲ませ続けた場合に、便に水分を取り込みすぎ、下痢を引き起こす可能性があります。
また、一度与えただけで下痢を起こした場合は、服用量がこの子には多いということですから、次回は医師に相談して、量の調節のしやすい顆粒のマグネシウムを処方してもらうか、前回よりも小さな錠剤を処方してもらいましょう。
このペース配分は少々難しいとは思いますが、お子さんの様子をみながら服用をしていきましょう。
便秘と下痢の悪循環
便秘の度に便秘薬を服用させて、下痢を起こさせていることを繰り返していると、肛門に負担をかけ、痔にさせてしまう危険性が高くなります。痔は、それ自体が命をおびやかすものではありませんが、次第に子供を排便から遠ざけるために、腸の病気を引き起こしかねません。
また、一度痔になると長期的に患うために非常に厄介なものです。痔の手術をする中では思春期の年頃の女の子の割合も高く、心の負担にもさせてしまいますから、なるべく自然な排せつを目指していきましょう。
下痢の心配のない便秘解消法
下痢を起こさずに便秘になった便を排出させるには、お子さんの場合は座薬や浣腸を使うのがベストです。浣腸は即効性がありますが、痛みを伴うことがあり、嫌がる子もいるかもしれません。しかし、座薬なら比較的緩やかに便が排出されます。
浣腸なら利用後10分程度で排出されますが、座薬は挿入から30分後に便意が起こり便が排出されますので、比較的時間にゆとりがある時に利用した方が良いでしょう。
それ以前に、なるべく食べ物での便秘解消を心がけ、特に食物繊維での便秘解消を心がけ、お腹のマッサージ等を行い薬に頼らずに排せつをしましょう。しかし、万が一便秘になったら、適切に服薬を行いましょう。
まとめ
子供の便秘薬と上手に付き合い、下痢にならないペース配分を
便秘薬の種類
機能性便秘薬を服用したことによる下痢
便秘と下痢の悪循環
下痢の心配のない便秘解消法