便秘薬 は腸にはたらきかけて便を排出しやすい状態にするための薬です。ですから、子どもに使える便秘薬でも適切な用法、用量を守らないと 腹痛 を起こす可能性があります。個人によって薬の効き方が異なりますので、はじめは少なめの量から服用を始めるようにするとよいでしょう。
子どもに使える便秘薬でも腹痛を起こす?
便秘薬の種類
便秘を改善する薬は、ひとくくりに便秘薬と言っていますが、実は大きく2つの種類に分類することができます。それぞれどのように便秘に働きかけていくかが異なり、症状や年齢に合わせて選択していくことが大切です。
腸に刺激をあたえて便秘を改善していく刺激性便秘薬、便に水分を与えてやわらかくし排出しやすい状態にしていく機械性便秘薬という2つが通常、便秘薬として使用されることが多い薬です。
機械性便秘薬の分類の中に、腸内に水分を集める働きを持つ酸化マグネシウム類などを主成分とした塩類便秘薬があり、小さい子どもの便秘にはこちらの薬が使われることもあります。
刺激性便秘薬
刺激性便秘薬は効き目が強く、便秘を改善する力が大きい薬ですが、腹痛や下痢を起こしやすい薬でもあります。大腸と小腸に直接はたらきかけ、腸の蠕動運動を促します。効き目が強くあらわれると、腸が活発になりすぎて腹痛を引き起こしやすいとされています。
市販薬では、コーラックやスルーラックなどの商品名のものが有名ですが、これらの薬は効き目が強いため、11歳以上の比較的大きな子どもにしか使うことができません。
刺激性便秘薬の中でタケダ漢方便秘薬については、5歳から服用することができます。就寝前に服用することで朝、おだやかな排便を促すことができます。
機械性便秘薬と塩類便秘薬
機械性便秘薬は、便に水分をあたえてやわらかい状態にし、さらに便量を増やして排出しやすい状態を作り出します。即効性はありませんが、やさしい効き目で腹痛を引き起こしにくいとされています。
市販薬では、ウィズワンやサトラックスなどがあります。ウィズワンは3歳以上から服用できます。サトラックスはいくつかのシリーズがありますが、11歳を過ぎてから使えるものが多いです。
塩類系の便秘薬は、機械性便秘薬の一種で、酸化マグネシウムなどが腸に水分をあつめて排便をスムーズに行うよう働きかけるタイプの便秘薬です。効き目がおだやかなので、子どもの便秘にはまずこのタイプを使う人が多いです。
市販薬では、スイマグエース、スルーラックデルジェンヌなどがあります。スイマグエースは3歳からでも使うことができ、グレープフルーツ味なので子どもでも嫌がらずに服用することができます。スルーラックデルジェンヌは5歳から使用することができます。
子どもでも使える処方の便秘薬
便秘で病院にかかるとラキソベロン、モニラックなどが処方されることが多いようです。ラキソベロンは刺激性便秘薬で、モニラックは機械性便秘薬です。どちらも水にたらして使うことができるので、小さな子どもでも安心して服用することができます。
子ども向けの便秘薬でも用法、用量をきちんと守らないと腹痛を起こすことがありますので、十分気を注意するようにしましょう。
便秘薬を使っても腹痛が起きないようにするには
便秘薬は腸を刺激したり、腸内の水分量を調整したりする働きを持っているため、どうしても腹痛が起こりやすいという側面があります。できるだけ、腹痛を起こさずに便秘薬を服用するためには、まず、薬の量を少なめにして服用するという方法があります。
市販の便秘薬では、用量に幅があることが多いので、まずは様子を見つつ、最低量から使用をはじめるようにしましょう。どれくらいの量を服用すると、ちょうどいい効き目があらわれるのか少しずつ探っていく必要があります。
また、便秘薬は依存しやすい薬とされています。同じ薬を長期にわたって服用し続けると、自分で便をスムーズに排出するのが難しくなってくることがあります。
一時的な便秘が改善したら、食物繊維の多い食事を心がけたり、適度な運動をしたりといった根本から便秘を治す日常生活を送るよう努力しましょう。
小さな子どもでは水分量が十分ではないときに、便秘になることもあります。時間を決めて、こまめに水分を摂らせるように心がけることも大切です。
まとめ
子どもに使える便秘薬でも腹痛を起こす?
便秘薬の種類
刺激性便秘薬
機械性便秘薬と塩類便秘薬
子どもでも使える処方の便秘薬
便秘薬を使っても腹痛が起きないようにするには