便秘を繰り返す現代の子供の多くは食生活に乱れや偏りがあることが多いと言われています。薬に頼らない根本的な便秘の解消には食生活の見直しが大切です。
便秘に効く食べ物 を知って、子供を辛い便秘から守ってあげましょう。
子供の腸を守る便秘に効く食べ物を深く知る
便秘に効く2種類の食物繊維
便秘に効く食べ物として有名な食物繊維ですが、実は働きが異なる2種類の食物繊維に分けられます。
まずひとつめは、水溶性食物繊維と呼ばれるもので、水に溶けるという性質を持っています。水溶性食物繊維は海藻、果物などに多く含まれています。腸の中の便を柔らかくし、出しやすくしてくれる効果があります。
すでに便秘になっている状態の人でも水溶性食物繊維を摂取することで、便秘を改善することができます。
もうひとつは不溶性食物繊維と呼ばれるもので、水には溶けず、水分を吸収して大きくふくらんで、便の量を増やすという特性を持っています。便の量が十分になることで、腸管がうまく刺激され、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進するという働きがあります。
豆やおから、栗や味噌などに多く含まれます。すでにひどい便秘の状態に陥っている人が不溶性食物繊維を過剰に摂取すると、お腹の張りがひどくなり便秘の状態がさらに悪化することがあります。現在の便秘がどのような状態になっているのかを把握することも必要です。
便秘を解消するためには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく接種することが非常に大切です。献立にはなるべく多くの種類の食物繊維を取り入れるように、工夫してみましょう。
子供の場合は食べる量自体が少ないので、おかずだけではなく、主食、汁物、デザートなどにもうまく食物繊維を組み込んでいく必要があります。食物繊維が多い食材についての理解を深め、いろいろなアレンジで毎日の献立に活かしていきましょう。
2種類の食物繊維を含むプルーン
プルーンは2種類の食物繊維をバランスよく含み、便秘に効く食べ物として有名な食材です。
食物繊維のほか、ペクチン、ソルビートなども多く含んでいます。ペクチンもソルビートも腸で吸収しにくい成分なので、腸に長い時間とどまります。腸は吸収しづらいものがやってくると、吸収を試みて腸自体が活性化していきます。
プルーンは甘味があるので、料理にも取り入れやすく、おやつやデザートとしても使うことができます。ただ、プルーンを過剰に摂取するとお腹を壊したり、腎臓などに負担をかけたりすることがあるということもわかっています。食べ過ぎに注意して摂取するようにしましょう。
食物繊維とオリゴ糖が威力を発揮するバナナ
バナナには不溶性食物繊維が含まれているほか、オリゴ糖も多く含まれています。オリゴ糖は、腸の中で善玉菌のエサとなり、腸の環境をよい状態に保つ働きがあります。善玉菌が活性化している腸の中では、腸の活動が盛んになるということもわかっています。
腸の蠕動運動で、便がスムーズに排出されるようになります。バナナは小さな子供でも食べやすいので、そのまま食べたり、ケーキに混ぜたり、いろいろアレンジして毎日食べさせるようにすると良いでしょう。
乳酸菌と善玉菌が多いヨーグルト
ヨーグルトは乳酸菌と善玉菌が多く、昔から健康にいい食品として有名です。特に最近では機能性ヨーグルトとして、様々な乳酸菌やたんぱく質を加えたものなどが販売されるようになりました。これらのヨーグルトの乳酸菌や善玉菌などは、生きたまま腸に届き、腸を活性化してくれます。
子供の便秘対策としては朝食やおやつの時にヨーグルトを食べさせるなど定期的にヨーグルトを摂取する機会を作るとよいでしょう。
オレイン酸が豊富なオリーブオイル
オリーブオイルの主な成分のオレイン酸は、腸で吸収されにくく、腸管を刺激して蠕動運動を促すよう働きかけます。潤滑油としての働きもあるので、排便もスムーズにしてくれます。
イタリアでは古くから便秘対策として子供にオリーブオイルを飲ませています。子供にはスプーン1杯ほど飲ませるといいでしょう。
まとめ
子供の腸を守る便秘に効く食べ物を深く知る
便秘に効く2種類の食物繊維
2種類の食物繊維を含むプルーン
食物繊維とオリゴ糖が威力を発揮するバナナ
乳酸菌と善玉菌が多いヨーグルト
オレイン酸が豊富なオリーブオイル