子どもの 便秘 は単に排泄する力が弱いだけではなく、成長過程での 食事 や生活の変化にも要因があります。ナイーブな問題を含んでいるため、便秘の症状がある子どもへの対応は注意が必要です。
食事や生活リズムにとどまらない子どもの便秘の要因
子どもの便秘は現代病?
便秘とは一般的に便が硬くて排出しにくい状態のことをいいますが、子どもの便秘は近年増加傾向にあり、現代病と言っていい程、便秘で悩む子どもは多くなっています。
現代の子ども達は、ゆとりのある生活とは程遠い、習い事や親の都合で1日が目まぐるしく過ぎる中で生活しています。また食生活に置いても同じことが言えます。忙しい中でついつい手軽に摂れる食事に偏りがちで、朝食を抜くなど3食きちんと食べていない子どもも多くなっています。
便秘で悩む子どもの背景にはこの様な現代社会の問題が隠れているのです。
便秘のきっかけ
子どもの便秘には、その症状が起こるきっかけがあります。そのほとんどが乳幼児のミルクや離乳食に移行する時、幼児期のトイレトレーニング時、学童期の通学開始などのタイミングに合わせて発症します。中でも、幼児期のトイレトレーニング時に起こる便秘はかなりの事例があります。
乳幼児の場合、それ程深刻に考える必要はありませんが、幼児期と学童期に起こる便秘には注意が必要です。また、トイレトレーニングや学童期の学校での我慢は便秘を悪化させる傾向にあります。
それに加え、学童期には過敏性腸症候群も要因として加わります。乳幼児の生理的なものとは違い、幼児期や学童期の便秘は心理的な要素が強いことが考えられます。
便秘の悪循環
便秘の悪循環は、幼児期や学童期のようなきっかけから排便への意欲が低下することで始まります。我慢することで便が硬くなり排便しようとすると苦痛を伴うので、ますます意欲が低下するのです。この負の連鎖が便秘を慢性化させます。
慢性化した便秘には数ヶ月~単位での長い期間をかけての治療が必要になります。下剤を使って腸の中を空っぽにする習慣を付けることで、自力で排便するように促します。
予防策
便秘には、早寝早起きで生活リズムを整えることや食生活を見直すことが有効とされています。規則正しい生活や十分な休息と睡眠、適度な運動を取り入れることも大切です。
また、食生活では食物繊維の多い食物やオリーブオイル、オリゴ糖などの便秘に良いとされる食品を積極的に摂り、1日3食バランスの良い食事を心掛けることが必要です。生活習慣を見直すことで腸内環境が整い、便秘を起こし難い体質を作りましょう。
子どもの場合、ゆとりのある生活はとても大切です。朝食を食べる時間や排便の時間を確保することも心がけましょう。
また、腸には神経がたくさんあります。すなわち、心理的な状態が反映されやすいのです。トイレトレーニングなどで子どもがストレスを感じる状態は便秘を引き起こしやすくなります。周りの大人は穏やかな気持ちで見守って上げましょう。
注意点
便秘は心理的な要素が強く関係していることが多いですが、実はアレルギーや消化器疾患などの病気が潜んでいる可能性もあります。
また、巨大直腸症と言って、肛門近くの直腸が異常なほど拡張してしまう症状を引き起こす可能性もあります。この症状は先天性のものもありますが、便秘の治療過程で下剤の乱用により起こることもあります。
この症状が原因となり、便意自体を催さなくなることや便意を感じていても排便の意識がないまま漏らしてしまうこともあります。
便秘は正常な状態でも起こり得る身近な症状ではありますが、便秘が原因で起こる問題は日常生活に支障を来すこともあります。また、便秘は本人の自覚症状がないまま症状が悪化していることもよくあります。軽く考えず症状が続く場合は医療機関を早めに受診しましょう。
また、便秘が原因で起こるイライラや不眠などの精神的な問題にも注意が必要です。腸内環境はストレスなどに過敏に反応します。学校生活自体をストレスに感じることは便秘の悪循環に繋がります。
生活にゆとりを持つことはもちろんですが、子どものストレス軽減に必要な環境づくりは周りの大人の役目です。今ある心理や健康上の問題の早期発見には普段から子どもの排泄物の状態を観察することが必要です。
まとめ
食事や生活リズムにとどまらない子どもの便秘の要因
子どもの便秘は現代病?
便秘のきっかけ
便秘の悪循環
予防策
注意点