多くの 子供 が経験する 便秘 ですが、親はたかが便秘と軽く考えがちです。ですが、スムーズな排便は子供の生活の質の向上に非常に重要な役割を果たすということを踏まえ、便秘が慢性化する前に生活習慣の改善を試みることが大切です。
よくある子供の便秘にはどのように対処すればいい?
便秘とはどのような状態か?
便秘とは便がかたく、スムーズに出ない状態を指します。排便回数が週に2回以下だったり、排便時にかたい便によって肛門に裂傷がみられたりする場合に便秘であると認識することが多いようです。
便秘に伴う腹痛や食欲低下、吐き気などの症状があらわれ、日常生活を送ることに支障があると治療の対象となります。
排便回数が少ないからといって、必ず便秘であるというわけではありませんが、排便時に痛みや苦痛を感じると子供はトイレに行くこと自体をいやがるようになります。その結果、さらにトイレに行かなくなり、排便回数は減ってしまうという悪循環に陥ります。
便の状態で言うと、コロコロして硬いウサギのふんのような便やソーセージのような形になってはいるものの硬い便が集まっている状態のものは便秘であると言えます。
小さな子供ではおむつ交換やトイレに付き添うことで便の状態を確認できますが、大きくなると一人でトイレに行くため、便の状態を確認しづらくなります。スムーズに排便できているかどうかを確認することを習慣にしておくと安心です。
子供の便秘の特徴<乳幼児>
偏った食生活や運動不足といった通常の便秘の原因のほかに、乳幼児期には特有の原因があります。
おむつを外すためのトイレトレーニング時に便が漏れてしまったことに対して必要以上に強く叱ると、叱られたくない子供は徐々に便意を我慢するようになります。たびたび便意を我慢していると便がスムーズに出ない状態に陥ってしまいます。
また、母乳栄養の子供では母乳不足によって便秘になることもあります。一般的に、母乳栄養の子供は粉ミルクを使う人工栄養の子供よりも腸内環境が良いため、便秘になりにくいとされています。
ですが、母乳は飲んだ量が分かりづらいため、母乳量が少ないと便を作るもとが足りず、便秘気味になることがあります。質の良い母乳をしっかりと与えられるよう、お母さんも食事の内容を見直してみると良いでしょう。
子供の便秘の特徴<年長児>
幼稚園や保育園、小学校に通う子供では、トイレに行くことをからかわれることを恐れて、便意を我慢してしまうことがあります。また、幼稚園や学校のトイレが清潔ではないと、トイレに行くこと自体を敬遠してしまうようになります。
繰り返し便意を我慢すると、便がかたくなって便秘になり、やがて便意自体を感じづらくなってしまいます。毎朝、自宅で排便してから出かけられるようにすると子供も安心して昼間の時間を過ごすことができるようになります。
生活習慣を見直して便秘を治す
子供の慢性的な便秘を治すには、生活習慣を見直すことが大切です。食事内容に気を付けて、食物繊維の多い食材を意識して摂取するようにし、水分も十分に摂ります。
無理に飲ませる必要はありませんが、子供は遊びに夢中になると水分を摂ることを忘れてしまうこともあるので、おやつの時間や外遊びから帰宅した際など水分を摂るようにしておくと良いでしょう。
ヨーグルトなどの乳酸菌は便秘にいいと言われていますが、もともと子供は、腸内細菌が善玉菌優位となっているため、大人ほど効果はないとされます。
時間に余裕を持って、朝ごはんを食べることも朝の排便習慣をつけるために非常に大切です。幼稚園や学校に行くまでに時間がないと、便意を感じても排便せずにそのまま出かけることになってしまいます。便意を感じた時には我慢せず、トイレに行くように促してあげましょう。
便秘症の予後
治療が必要な便秘を便秘症と呼びますが、原因を把握し適切な治療を行うと多くの場合、数日から2か月ほどで週に3回以上、スムーズに排便できるという状態にまでもっていくことができます。この状態を維持していくと1、2年ほどで便秘症が良くなる人もたくさんいます。
中には大きくなるまで治療を続けなければならない人もいますが、生活習慣や食生活に気を付けて、必要とされる薬などで適切に処置していくと快適に暮らせるようになります。
子供の質の良い生活のためにも、たかが便秘と軽く考えすぎずに、ひどい便秘症になる前に治療を開始するように意識しておくと良いでしょう。
まとめ
よくある子供の便秘にはどのように対処すればいい?
便秘とはどのような状態か?
子供の便秘の特徴<乳幼児>
子供の便秘の特徴<年長児>
生活習慣を見直して便秘を治す
便秘症の予後