意外なことに子供が胃痛を訴える場合に一番多い原因は便秘だと言います。2~3日排便していないお子さんが胃痛を訴えた場合はまず便秘が原因のものと考えて間違いないようです。成長過程でまだまだ未熟な子供の胃腸は便秘になりやすいものです。
便秘 と 胃痛 の関係について対処法も含めてご紹介いたします。
意外にも子供の胃痛の原因の3~4割は便秘
子供の便秘と胃痛の関係
子供の腹痛の原因の30~40パーセントが便秘であるという報告があります。子供が腹痛を起こしたら、まず、便秘を疑うという小児科医もあるほどです。
腸に溜まった便と便から発生した大量のガスによって腸が動くと腸をふくめ周辺の臓器である胃も刺激されるため強い痛みを感じることがあるのです。
子供の自律神経は未成熟であるため、夜間に体調をくずすことが多いものですが、便秘による胃痛も夜間におこることが稀ではありません。
便秘による胃痛の見分け方
子供が腹痛を訴え、時には嘔吐まですると、保護者は「大病ではないだろうか」「緊急性があるのではないだろうか」と心配になるものです。
便秘していて下痢や発熱がなく、左下腹部を押すとおなかの張りが感じられ、腹痛とともに吐き気や嘔吐がある場合、便秘が原因で腹痛を起こしている可能性が高いと考えてよいでしょう。
このような場合、下痢や発熱がないことを確認した上で、子供用の浣腸を使用することをお勧めします。
浣腸を常用すると浣腸液に慣れてしまった腸が自ら排便する力を弱くしてしまうという難点があるものの、便秘した時に限って正しく使用さえすれば、浣腸は非常に有効です。
また、仰向けになったお子さんのおなかをのの字を書くようにマッサージするのもよい方法です。
マッサージや浣腸をしても排便がなく、腹痛が続くようであれば、小児科を受診した方がよいでしょう。
子供の腹痛と便秘の関係
大人であれば、便秘をしておなかが張る・膨満感から胃痛すら感じるなどと自らの症状を的確な言葉で表現することができます。ところが、子供は言葉を習得していない段階に始まり、表現力が十分ではありません。
小児科医の間では子供の「おなかが痛い」という訴えには本来の腹痛以外に頭痛や寂しさなど精神的な問題まで含まれる場合があるので注意が必要だと言われているほどです。
上述したように、便秘の時に便と便から発生したガスで詰まってしまった腸が蠕動運動をすると胃など腸周辺の臓器が痛みを感じることがあります。
どこが痛いのか具体的に言葉で説明できないと、歩いている最中にしゃがみこんでしまうというようなこともあるかもしれません。また、痛みのために不安になって保護者から離れたがらないというような場合もあるでしょう。
このように言葉の足りないところを補いながら、「便は出ているか」「最後に排便したのはいつか」などと便秘と腹痛の関係を見極めてみてください。
便秘が原因であれば、おなかを触ると左下腹部に固くなった便の塊を感じることがあるかもしれません。浣腸をして排便すると、いままでの痛みは何だったのだろうと思うほどケロッと痛みがなくなるのが特徴です。
便秘体質のお子さんもあるかと思います。かかりつけの小児科医とよく相談をして、浣腸を使用するタイミングやマッサージの仕方などを便秘の治療とともに身につけるようにするとよいでしょう。
子供の腹痛の識別
子供が胃痛を含めた腹痛を訴えた場合には痛みの程度と全身状態をチェックするようにしましょう。
我慢できないほどの激痛の場合は迷わず医療機関を受診するべきです。腹部の病気にはヘルニアかんとんや絞扼性腸閉塞、虫垂炎など急性腹症と呼ばれる外科的な病気も多くあります。
我慢できる痛みであれば、全身症状をチェックしてみてください。風邪症状はありませんか。下痢や便秘はしていませんか。下痢の場合には便の様子も要チェックです。呼吸の状態も大切です。呼吸が速くなっていれば、肺炎の可能性、ゼイゼイしていれば喘息の可能性が出てきます。
おなか全体に張りがあると緊急性が高いことが多いと言われています。また、最初はそうでもなかった痛みがどんどん強くなってくるというのも危険な腹痛のサインであると言われています。
お子さんの腹痛の訴えを受けたり、保護者の方が「痛そうだ」と感じられたら、注意深く観察することが非常に大切になってきます。
まとめ
意外にも子供の胃痛の原因の3~4割は便秘
子供の便秘と胃痛の関係
子供の腹痛と便秘の関係
子供の腹痛の識別