子どもの便秘がなかなか改善しないとき、便秘外来での投薬や指導によって改善することが多くあります。また、ごくまれに病気が原因となる便秘もあり、受診することで発見につながる場合があります。
今回は、 便秘 外来 では、どのような診察や治療を行っているのかをご紹介します。
改善しない便秘は、便秘外来で治療しましょう
外来での診断
外来では、まず問診を受けます。便秘には弛緩性便秘や痙攣性便秘などさまざまな種類があり、症状によって治療が異なります。また、生活習慣に起因する場合もあるため、問診では症状のほかに、食事の様子やストレスを受けそうな生活場面などについてきかれます。
次に触診を行います。触診でおなかの張り方をみることで、便秘の種類や腹部に溜まっている便の量などがある程度わかります。その後は、腸の異常などが疑われる場合は、エックス線で腸内を撮影する場合もあります。
薬による治療
便秘の原因で一番多いのは、原因が特定できない特発性のものです。治療を受ける目安は、2~3日排便がない場合です。便秘外来での治療の目標は、たまっている便を出すだけではなく、その後、安定的に排便が続くようにすることです。1~2日に1度排便がくる状態をめざします。
便秘外来を受診すると、まず、浣腸や洗腸によって腸内にたまっている便を排出します。その後、緩下剤などの薬を服用することで、定期的な排便を促すようにします。
長期間に渡って薬を飲み続けなければいけない場合もあるため、副作用の少ない薬が処方されます。この治療は約70%の患者に有効とされています。残りの30%の患者には、別の薬を服用するなど、さまざまな治療を受ける必要があります。
排便姿勢の指導
日本人のおしりの構造の特徴として、直腸に便が残りやすい人がいます。このような場合は、薬による治療だけでは、改善しません。腹圧をかけて便を押し出すときに、便が出やすい方向があります。
子どもの肛門の形を診察して、姿勢について指導を受けるといきんだ力がうまく伝わり、スムーズな排便につながります。便秘外来では、便を柔らかくする薬の投与と合わせて行うことが多いようです。
マッサージ
腸にねじれがみられるときに効果があります。病院でマッサージの方法の指導を受け、自宅でも実践することで効果を感じることができるようです。子どもの場合は、保護者が方法を習い、子どもに対してマッサージを施すことになります。
カウンセリング
子どもが便秘になると、便をするたびに激しい痛みを感じることからトイレを怖がるようになることがあります。また、食事や生活習慣が悪いために起こるのではないかと考え、保護者が自分を責めるなど、親子ともに精神的な不安や苦痛を感じている場合があります。
便秘外来では、便秘の原因を明らかにし、治療法について保護者と子どもとともに考えて進めていきます。
エックス線で撮影された腸を見て腸の形の異常を確認し原因が特定されると、それだけで自分を責めていた保護者の気持ちが楽になり、治療される子どもにとっても精神的によい影響を与えます。
また、治療を受けてスムーズに排便する経験を積むことで、子どもが排便に対する恐怖を感じなくなると、親子とも気持ちが明るくなり、さらに治療によい効果をもたらす場合が多くあります。
便秘外来では、便秘の症状そのものの改善とともに、患者とその家族の悩みによりそい、精神的な面でもサポートをしてくれます。
手術
便秘の原因として、肛門の形の異常や腸の神経の異常がある場合があります。その場合は、手術による治療が有効です。
エックス線による検査のほかに、腸の造営検査、直腸肛門内圧検査などを行い病気の種類を調べます。そして、病気の種類や症状に応じた手術を行います。
まとめ
改善しない便秘は、便秘外来で治療しましょう
外来での診断
薬による治療
排便姿勢の指導
カウンセリング
手術