結核は昔の病気という印象を持っている人も多いかもしれませんが、近年でも約2,000人前後の人が命を落とす非常に怖い病気です。BCGワクチンの予防接種をし、 経過 が順調であれば、結核を予防する効果の高いワクチンです。
今回は BCG 予防接種 を紹介します。
BCG予防接種は接種後の経過観察で結核菌感染の有無を確認(前編)
BCGとは?
BCGとは結核を予防するための生菌ワクチンです。結核とは結核菌を病原体とした感染症です。結核菌を含んだ咳やくしゃみから感染します。しかし感染した人すべてが結核になるのではなく2割程度の人が発病します。
結核の発病に関しては感染してから半年から二年後ということに加え、発病初期は咳や痰が出て、微熱が続くなど風邪によく似た症状のため結核とは気づきにくいと言えます。もし結核を発病した場合はその風邪のような症状が2週間以上の長期にわたり続きます。
このような状態が続いた場合は結核を疑いましょう。結核はきちんとした治療を受けないままにしておくと体重減少、食欲減退、倦怠感、胸痛、息切れなどの症状が出るなど重症化してしまい、最悪の場合命を落とす危険がある疾患です。
日本国内でも近年年間2,000人前後の人が命を落としています。BCGワクチンはその危険な疾患の予防に大きな成果をあげるものです。
BCGワクチンの理想的な接種時期としては生後6カ月までに1回とされています。もっとも標準的な予防接種期間としては生後5ヶ月から生後8ヶ月未満とされています。
ただし予防接種は受ける子供の体調が最優先であると共に、地域的な問題、災害などの発生、交通事情など特別な事情によってやむを得ず1歳未満までに接種できない場合は、遅くても生後4歳未満までの接種としています。
平成16年まではBCGワクチンを接種する前にツベルクリン反応検査をおこなっていました。ツベルクリン液を注射することによって、48時間後に局所が赤く腫れあがる反応が出た場合は結核菌に感染しているという診断をおこなう検査です。
そして陰性の子供にのみBCGを接種していました。しかし平成17年度からはBCGワクチン接種前のツベルクリン反応検査をおこなうことは廃止となりました。
予防接種対象人数からみると平成25年度には予防接種実施率は84,2%となっています。調査をまとめ始めた平成17年度には接種実施率94,1%となっていて、一時平成20年度に97%まで上がったものの、それ以降年々下がっているという実状があります。
BCGは予防接種後の経過観察がとても重要になります。既に結核に感染している人に限り出るコッホ現象に注意する必要があります。
結核に感染していない場合は、接種後10日くらいで局所が赤くなったり、硬くなったり、丘疹が出ます。この症状は接種後1ヶ月から2ヶ月でもっとも反応が強く出やすくなります。
しかし徐々に反応は弱まり、3ヶ月から4ヶ月ほど経過すると皮膚に痕が残るだけの状態となります。しかし既感染者の場合はコッホ現象といって、一連の反応が早い時期から出て、局所から浸出液漏出などが起こることもあります。
ただし経過の状態が正常か否かを判断することは親では非常に難しい状態のため、異常を感じた場合は医師に相談することをお勧めします。
まとめ
BCG予防接種は接種後の経過観察で結核菌感染の有無を確認(前編)
BCGとは?
日本における結核の実状とは?