生後12か月までに接種することが推奨されている BCG ですが、 跡 が残りやすいため、心配する親も多いものです。BCGとはどのような予防接種で、どれくらいの期間で跡がうすくなっていくのかを知って、納得のうえで接種を行うようにしましょう。
跡の残りやすいBCGってどんなもの?
BCGってどんなもの?
BCGは結核という病気を予防するための予防接種です。ウシ型結核菌を弱めて作られた生ワクチンを使います。
平成17年まではBCG接種を行う前にツベルクリン反応検査を行っていました。しかし、平成17年4月に結核予防法が改正され、現在は直接、BCG接種を行っています。
BCGでは「菅針(かんしん)」とよばれる9本の針がついたものをふたつ、上腕部に押し付けて接種を行います。
まるではんこのように跡がつくことから、「はんこ注射」とよばれることもあります。9本の針を使うことで、局所の潰瘍や炎症が起こりにくくなるといわれています。また、1本の針で行うよりも赤ちゃんが痛みを感じにくくなるともいわれています。
BCGは生後12か月までは、費用を公費で負担してもらうことができます。推奨される月齢は生後3か月から8か月ごろで、ほかの予防接種との兼ね合いを考えながら早めに接種するようにしましょう。
生後12か月を過ぎてしまうと、任意接種となり、自費となってしまいます。
BCGの副作用
BCGを接種したあと、プツプツと赤く腫れてしまうことがあります。化膿して、小さなかさぶたになってしまうこともあります。
これは、BCG接種後にはよくみられる副作用で、予防接種後、2、3週間で腫れがみられ、5、6週間後にもっとも強く反応があらわれます。次第に腫れはひいていき、自然に治癒します。
数か月を過ぎても改善してこないときはかかりつけの小児科医に相談してみると安心です。
脇のリンパが腫れることもあります。リンパの腫れについては、基本的には、経過観察を行います。おおよそ半年程度でリンパの腫れはおさまってきます。BCGの副作用では発熱はあまりみられませんが、中には微熱程度の発熱をする赤ちゃんもいます。
コッホ現象とは
コッホ現象は、結核に感染している赤ちゃんにBCGを接種すると起こる反応で、接種後3日ぐらいで接種したところが激しく赤く腫れます。コッホ現象があらわれたら、すぐに接種を行った医療機関で再度受診するようにしましょう。
現代の日本では、小さな赤ちゃんが結核にかかっているという可能性は低いといわれています。結核菌に似た別の菌に感染することで、コッホ現象のような症状がみられることもあります。
コッホ現象かと思って、精密な検査をしてみたところ、実際には結核ではないというケースも非常に多くなっています。
もともと肌の弱い赤ちゃんの場合、BCG接種の刺激に過敏に反応してしまい、ふつうの副作用よりも早い時期に腫れてしまうこともあります。
接種後の状態をよく知らない親では、コッホ現象なのか、ただ少し赤く腫れているのか区別がつかないこともあります。心配なときは、念のために小児科で相談してみるようにしましょう。
BCGの跡
BCGは上腕の外側、中央部分にふたつ強く押し付けて接種を行います。上腕外側以外に接種することは、薬事法によって禁止されています。肩などに接種を行うとケロイド状になりやすいといわれています。
9本の針のものを2か所に接種するので、すべてきちんと針跡になると18か所の跡がつきます。13か所以上の針跡がみられれば、接種は有効とされています。接種後、針跡がすぐに消えてしまうときは、免疫がしっかりとついていない可能性があります。
赤みや腫れは3、4か月ほどすると徐々に消えていきますが、大人になっても跡が残ってしまうこともあります。赤みはなくなるので、それほど目立つことはありません。
川崎病という病気にかかると、BCGの跡が発赤することがあり、診断の助けになることもあります。
BCGの跡を消す
BCGの跡がどうしても気になるときには、保湿クリームやヨモギローションを使ってお肌のケアをしてみると効果がみられることもあります。
思春期になって、どうしても跡が気になるというときは、美容外科や形成外科などで肌の修復という観点から相談してみるとよいでしょう。レーザーなどで肌を削って表面をなだらかにしたり、跡の部分を切除して再度、縫合したりするといった方法があります。
まとめ
跡の残りやすいBCGってどんなもの?
BCGってどんなもの?
BCGの副作用
コッホ現象とは
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